2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540631
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
宮下 洋子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60045549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 恵子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80045541)
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Keywords | 光応答 / 色素細胞 / メラノサイト / オプシン / トランスデューシン / 皮膚光覚 / タマネギバエ / 走光性 |
Research Abstract |
無脊椎動物や変温脊椎動物では、高度に機能分化した感覚器官以外に、皮膚に化学物質、水圧、温度、光などのセンサーの存在が知られている。皮膚の色素細胞も、こうした非視覚系光センサーの一つと考えられている。我々はこれまで、マウスとヒトの培養メラノサイトでロドプシンとトランスデューシン(Gt)の発現を確認しているが、それが実際に機能しているかどうかは不明であった。今回、可視光(発光ダイオード505nm:1.5mW/cm^2)とUVA(ブラックライト365nm:1.5mW/cm^2)をマウス培養メラノサイト細胞に照射(0.5〜1h)し、その24時間後、RT-PCRでこれらの分子のmRNA発現量の変化を解析した。オプシンmRNAの発現量は可視光照射で増加し、一方、GtのmRNA発現量はUVA照射で増加した。またメラノサイトの細胞移動能は可視光照射によって亢進するが、UVA照射では抑制された。これらの結果は哺乳類の色素細胞において、可視光が細胞活動に直接影響している可能性を示唆している。 一方、皮膚光覚とよばれ、色素細胞以外の皮膚細胞が光受容系として働く例が知られている。負の走光性を示すタマネギバエ(Delia antiqua)幼虫を材料に、皮膚でのこうした光シグナル受容伝達系の存在とその機構を解析した。発光ダイオードを光源とする反応観察箱を製作し、幼虫の特定波長光(395,405,470,505,567,574,590,644,950nm:250μW/cm^2)に対する行動を観察した。幼虫は395-590nmの波長領域で負の走光性を示し、最大反応は505nmで得られた。この反応はエネルギー依存的で、10-25μW/cm^2の光強度から反応が観察される。幼虫体躯でショウジョウバエRh1オプシン類似の産物が発現していることが、体躯から抽出したRNAを用いたRT-PCRで確認された。
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Research Products
(6 results)