2002 Fiscal Year Annual Research Report
インド・太平洋域に生息する深海生態系多毛類の体系分類
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14540646
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
三浦 知之 宮崎大学, 農学部, 教授 (10199953)
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Keywords | 多毛類 / 深海 / 太平洋 / インド洋 / ヤドリゴカイ科 / ウロコムシ科 / アリアナ海溝 / ロドリゲス三重合点 |
Research Abstract |
平成14年度は従来の研究を文献的に整理し、潜水探査機を用いた生物採集を実際に行うと共に、研究材料となる標本の収集を行った。特に、インド洋ロドリゲス三重合点に関しては、本申請と同時に別途共同調査を申請していた潜航調査に、平成14年1〜3月に申請者も参加できたため、当初の予定通り、標本が入手できた。また、10月にはマリアナ海溝チャレンジャー海淵での無人探査機調査が行われ、太平洋の最深部からウロコムシ科およびカザリゴカイ科の多毛類が得られた。これらの標本は、本予算で購入した広視野の顕微鏡を用いて形態観察中であるが、物品納入にあたり、トランスや電圧の調整が必要であったため、従来の機器も併用して研究を進めた。前後するが、9月には金沢市で開催された動物学会で、従来の知見に関する研究を発表し、会場では今後の太平洋域での研究等に関して他研究者との情報交換ができた。さらに、1989年に新科として発表したヤドリゴカイ科Nautiliniellidaeに関連して、日本海溝に生息するNautiliella calyptogenicolaとよく似た、大西洋産種の記載に関連して、米国の研究者との共同研究として日本産の近縁種を含めた比較研究もはじめた。ヤドリゴカイに関しては情報の集積が進んだので、全種を含んだ体系分類の見直しが必要でもあり、米国との共同研究がもたらす成果に期待できると考えている。特に、本科の特徴でもある、囲口節peristomiumの退縮に関して熟考した上で、新体系を作り上げられると考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kojima, S., S.Ohta T.Yamamoto, T.Miura, Y.Fujiwara, K.Fujikura, J.Hashimoto: "Molecular taxonomy of vestimentiferans of the Western Pacific and their phylogenetic relationship to species of the Eastern Pacific. II. Families Escarpiidae and Arcovestiidae"Marine Biology. 141. 57-64 (2002)
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[Publications] Miura, T., M.Nedachi, J.Hashimoto: "Sulphur sources for chemoautotrophic nutrition of shallow water vestimentiferan tubeworms in Kagoshima Bay"Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom. 82. 537-540 (2002)
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[Publications] Ando, T., M.Yamamoto, T.Tomiyasu, J.Hashimoto, T.Miura, A.Nakano, S.Akiba: "Bioaccmulation of mercury in a vestimentiferan worm living in Kagoshima Bay, Japan"Cemosphere. 49. 477-484 (2002)
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[Publications] Osumi, D, T.Miura: "A vermivorous opisthobranch, Pupa strigosa, and its prey"Benthos Research. 57. 61-67 (2002)