2003 Fiscal Year Annual Research Report
インド・太平洋域に生息する深海生態系多毛類の体系分類
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14540646
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
三浦 知之 宮崎大学, 農学部, 教授 (10199953)
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Keywords | 多毛類 / 深海 / 太平洋 / インド洋 / ヤドリゴカイ科 / ウロコムシ科 / マリアナ海溝 / シボグリヌム科 |
Research Abstract |
平成15年度は従来の研究を文献的に整理し、また、潜水探査機により平成14年度までに採集した材料の形態観察を行った。マリアナ海溝チャレンジャー海淵でもちいた無人探査機調査は、平成15年に日本海溝の調査において喪失したため、今後、超深海域を調査する機会は全くなくなった。本研究では他研究者とも意見交換したが、深海調査の機会が少なくなることもあって、競合を避けるためにも、本研究に関しては他海域も含めて新たな生物の採取は行わなかった。このような状況から、太平洋の最深部から得られたウロコムシ科およびカザリゴカイ科の多毛類は今後非常に貴重な標本となる可能性が高く、慎重に観察を行っている。 また、1989年に新科として発表したヤドリゴカイ科Nautiliniellidaeに関連して、日本海溝に,生息するNautiliniella calyptogenicolaとよく似た、大西洋産種について調べたところ、大西洋産種が新種であることがわかった。本種の記載については、米国の雑誌に受理された。関連して、11月には東京で開催された日本ベントス学会でこれらの知見に関する研究を発表し、今後のインド・太平洋域での研究等に関して他研究者との打ち合わせを行った。 本年度はスペインで開催される第8回国際多毛類研究者会議において、シボグリヌム科多毛類すなわちハオリムシ類の生態について発表し、その体系分類のあり方についても外国人研究者と情報交換を行う予定である。また、ヤドリゴカイ科、ウロコムシ科等の新種記載を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Osumi, D., T.Miura: "A vermivorous opisthobranch, Pupa strigosa, and its prey"Benthos Research. 57. 61-67 (2003)
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[Publications] Okutani, T., J.Hashimoto, T.Miura: "A new species of solemiyid bivalve from near submarine fumaroles in Kagoshima Bay, Japan"Venus. 32. 91-96 (2003)
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[Publications] Dreyer, J., T.Miura, C.L.Van Dover: "Vesicomyicola trifurcatus, a new genus and species of commensal polychaete (Annelida : Polychaeta : Nautiliniellidae) found in deep-sea clams from the Blake Ridge cold seep"Proceedings of the Biological Society of Washington. (in press). (2004)
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[Publications] Desbruyeres, D., T.Miura: "Mytilidiphyla guineensis a new species of Nautiliniellid Polychaetes living in the mantle cavity of deep-sea mytilid bivalves collected from the "Regab" cold seep area in the Gulf of Guinea"Cahiers de Biologie Marine. (in press). (2004)