2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540648
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
横田 昌嗣 琉球大学, 理学部, 教授 (90166885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
傳田 哲郎 琉球大学, 理学部, 助教授 (50284948)
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Keywords | 琉球列島 / 固有種 / 系統地理学 / 遺存種 / ラン科 / キク科 / スミレ科 / アカネ科 |
Research Abstract |
研究の初年度であるため,琉球列島の固有植物を中心に研究材料の検討と収集を中心に行った.今年度は,遺存固有種としで分子系統地理学的な解析を行う予定のヤエヤマスミレ(スミレ科)とコケタンポポ(キク科)の実験材料の収集と外部形態の観察を行った.次年度は分子系統地理学的な研究を進める.その他,今年度に購入したラン科植物のマイクロフィッシュを用いて,次年度にはラン科植物相の分類の再検討を行うとともに,遺存固有種の絞り込みを行う. 固有種を中心に琉球列島産のガガイモ科植物の染色体数の算定を行った(雑誌論文4).琉球列島内で著しい種内倍数性を示す琉球列島固有種のミヤコジシバリ(キク科)は,雑種起源であること,その起源は複数回あるごとを分子系統学的な手法で証明した。(雑誌文献5).ミヤコジシバリの種内倍数性は,琉球列島の地史と深い関わりがある可能性があり,この問題については今後も分子系統地理学的な解析を行う.アカネ科のサツマイナモリ属とボチョウジ属の染色体数を算定し,琉球列島固有のアマミイナモリは近縁なサツマイナモリの倍数体起源であることを明らかにした(雑誌文献6).また,植物相に関する既存の文献資料を整理して,その内容を概観し(雑誌論文3),琉球列島の遺存固有種の起源についてふたつの可能性があることを議論した(図書1).琉球列島中部と南部では数少ない活火山の硫黄鳥島の植物相と植生を初めて報告し,遺存固有種と見なせる種が少数ではあるが自生していることを示すとともに,植物相の起源について考察を加えた(雑誌論文1・2).
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 立石庸一, 横田昌嗣, 新城和治, 平岩篤, 新納義馬: "硫黄鳥島の植物相"沖縄県文化振興会公文書管理部(編),沖縄県史,資料編. 13巻. 57-104 (2002)
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[Publications] 横田昌嗣, 新城和治, 立石庸一, 平岩篤, 新島義龍, 日越国昭, 喜屋武敬子, 翁長丈子, 新納義馬: "硫黄鳥島の植生"沖縄県文化振興会公文書管理部(編),沖縄県史,資料編. 13巻. 107-144 (2002)
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[Publications] 横田昌嗣: "各都道府県別の植物自然史研究の現状.47.沖縄県"植物地理・分類研究. 50巻2号. 251-254 (2002)
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[Publications] Yamashiro, T., M.Yokota, T.Denda, Y.Tateishi, J.Yokoyama, M.Maki: "Chromosome numbers of Asclepiadaceae of Japan"Acta Phytotaxonomica et Geobotanica. 53巻2号. 143-152 (2002)
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[Publications] Denda, T., M.Yokota: "Hybrid origins of Ixeris nakazonei (Asteraceae, Lactuceae) in the Ryukyu Archipelago, Japan : Evidence from molecular data"Botanical Journal of the Linnean Society. 141巻. 379-387 (2003)
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[Publications] 中村剛, 傳田哲郎, 亀島修, 上原マリ子, 横田昌嗣: "琉球列島産サツマイナモリ属とボチョウジ属(アカネ科)の染色体数"沖縄生物学会誌. 41号(印刷中). (2003)
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[Publications] 横田昌嗣(分担): "西田睦・鹿谷法一・諸喜田茂充(編),琉球列島の陸水生物(担当:水辺の維管束植物)"東海大学出版会. 572(99-114) (2003)