2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14540656
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 忍 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (50196515)
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Keywords | ツリフネソウ属 / 多様性 / ヒマラヤ / 中国 / 分類 / 種属誌 |
Research Abstract |
旧世界の亜熱帯から温帯地域に広く分布するツリフネソウ属植物には、中国西南部・ヒマラヤ地域で特に多様化したグループがあり、これを「中国西南部・ヒマラヤ地域種群」として分析している。本研究で対象とするのは、この「中国西南部・ヒマラヤ地域種群」の中でも特に多様性が高く、種の認識が困難と考えられるImpatiens drepanophoraとその近縁種からなる種群(「drepanophora群」と称する)である。平成15年度は平成14年度に引き続き、この群について以下の解析を進めた。 1 野外の自生地で収集した標本を中心に、成熟花を双眼実態顕微鏡を用いて解剖し、花の各器官の形態を観察し、図化した。観察した花部各器官の形態を解析し、変異性を調べた。また、種間の相違点を明らかにするために、各種の花部器官について比較を行ない、異同を明らかにした。 2 1と同様に、これまでに得られた標本にもとづき、従来分類形質のひとつとして重視されている花序の形態について解析を行なった。 3 国内外の標本室に収蔵されている標本についても、1および2と同様の解析を行なった。 4 これまでに記載されている種の形態形質における異同を明らかにするために、各種の花部器官および花序の形態について明らかにした異同との比較検討を行なった。 これらの研究の成果は、ほとんど完成に近い状況にあり、専門誌に発表を予定していたが、論文執筆に新たな問題点がみつかり、十分に検討はできなかったため、引き続き来年度にその検討を行い、その後に発表する予定である。
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