2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機非線形媒質バクテリオロドプシンを用いた方向性結合器の開発
Project/Area Number |
14550004
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
岡田 佳子 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50231212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 照也 理化学研究所, フロンティア研究機構励起子工学研究チーム, チームリーダー (60168250)
|
Keywords | バクテリオロドプシン / フォトニック結晶 / スラブ導波路 / 光誘起屈折率変化 / 光スィッチング / 方向性結合器 |
Research Abstract |
本研究の目的は,光照射で屈折率(吸収)変化する有機非線形媒質バクテリオロドプシン(bR)を導波路媒質としてフォトニック結晶上に塗布し,光制御型光スイッチ動作を実現することである. 本年度は昨年度に引き続き,電子ビーム露光装置,ドライエッチング装置を置いて,石英基板上に露光面積1.5mm^2,周期600〜720nmの短形構造を作製し,その上に各種bR混合ポリマー膜をスピンコートして光学応答を評価した. グレーティング型導波路では,導波モードあるいはBraggモードの励振による透過強度損失に対応する鋭いディップが観察できるが,より大きなディップシフト量を得るためには,光誘起屈折率変化を大きくする必要がある.(1)ポリビニルアルコール(PVA)に混合するbR濃度を増加させる方法,および(2)bR水溶液をスピンコートして乾燥させた上にポリスチレン膜をオーバーコートする方法を検討した.PVA濃度,回転数によって,膜圧を130〜200nmに制御し,法線方向から白色光を入射させて(-40〜+40度)ポリクロメーターで分光し,その透過スペクトルを測定した結果,Q値は最大で1000程度まで増加したが,ディップ数,位置に大きな変化は見られなかった. これらのサンプルにArイオンレーザー(515nm)を照射してbRの屈折率を変化させ,それに従って導波路に結合するモードすなわちディップの波長を変化させたところ,シフト量は1〜2nmで,He-Neレーザー633nm(半値全幅1.4nm),半導体レーザー682nm(半値全幅2.0nm)のスイッチングは十分可能であることを確認した.これより,サンプルへの入射角度によって簡単にディップ波長を変えられ,複数のディップを同時にスイッチングに利用できることがわかった.今後は非対称なプロファイルをもつレリーフ型グレーティングの検討などの工夫によって,さらに大きなディップシフト量と多彩なディップ波長が得られると期待される.
|
Research Products
(2 results)