2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しい相転移研究法"Milli-Kelvin-セルで見る相転移"の開発とその応用
Project/Area Number |
14550016
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉村 幸雄 立命館大学, 理工学部, 教授 (10066699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東崎 健一 千葉大学, 教育学部, 教授 (30102031)
小島 彬 滋賀県立大学, 工学部, 助教授 (00205379)
岩崎 博 立命館大学, 理工学部, 教授 (50005857)
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Keywords | Milli-Kelvin-セル / 熱流-誘電率同時測定 / X線回析実験 / 自発分極の測定 / ペロフスカイト系結晶の相転移 / BaTiO_3結晶 / CsPbBr_3結晶 |
Research Abstract |
本年度はこれまでCsPbCl_3結晶の研究で開発した新しい相転移研究法"Milli-Kelvin-セルで見る相転移"を使って、CsPbBr_3結晶、BaTiO_3結晶及び(CsPbCl_3)x(CsPbBr_3)1-x混晶などペロフスカイト系結晶の相転移及び磁性が相転移に関与するCrについて熱流測定を基準に誘電率、熱膨張、自発分極、X線回折実験等を温度上昇時及び下降時で詳しく測定した。Crの相転移については今のところ顕著な異常は見出せなかったが、ペロフスカイト系結晶の実験に対しそれぞれ次の重要な結果を得た;CsPbBr_3結晶は410,358Kと相転移することが知られているが、本研究で358Kの相転移にCsPbCl_3結晶の320K相転移で観測した同じ"multi-step熱流異常"が見られたこと、358K付近の熱流測定には10Kに渡り異常なベースラインからの盛り上が見られこの相転移が新しいタイプの相転移であること、更に260Kに新たな相転移を見出した。BaTiO_3結晶は、立方晶相>403>正方晶相>265>斜方晶相>183K>三斜晶相と相転移するとされているが、本研究の結果、熱流測定は各相転移で異なるタイプの固有の異常を示しそれらの異常に付随して誘電率や自発分極が変化している事、更にX線回折の結果は立方晶相>403>正方晶相と単斜晶相Iのhybrid構造>265>単斜晶相II>183K>斜方晶相と相転移していることが分かり、現在超音波共鳴スペクトロスコピーとMilli-Kelvin-セルを組み合わせた研究も加えてBaTiO_3結晶の相転移の全面的な見直しを進めているところである。(CsPbCl_3)x(CsPbBr_3)1-x(x=0.1)混晶では我々がCsPbCl_3結晶の相転移の研究で新しい意味付けをしているが、それを裏付ける結果を得た。 成果は第19回国際結晶学会、第8回国際温度シンポジューム、第7回日ソ強誘電体シンポジューム及び日本結晶学会2003年度年会で発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Kojima, Y.Yoshimura, H.Iwasaki, K.Tozaki: ""Milli-Kelvin-Stabilized Cell" for the precise Study of Phase Transition"proceeding of The 8^<th> Symposium on Temperature. (In press).
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[Publications] A.Kojima, Y.kawakatsu, H.Sasou, Y.Yoshimura, N.Tokunaga, H.Iwasaki, K.Tozaki: "Novel feature of the phase transitions in BaTiO3 revealed by "Milli-Kelvin-Stabilized Cell""Ferroelectrics. (In press).