2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550019
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
今尾 浩也 松江工業高等専門学校, 電気制御工学科, 助教授 (50203310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩介 松江工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (60249836)
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Keywords | Bi系超伝導体 / 単結晶 / 臨界電流密度 |
Research Abstract |
Bi-Sr-Ca-Cu(Bi系)酸化物超伝導体の工学的な応用のためには、超伝導体に流す電流を格段に向上させる必要がある。従来、超伝導体における臨界電流密度(Jc)の向上には多結晶体を用いた研究が進められ、線材応用では結晶の配向化によって実用レベルのJcが得られるようになっている。しかし、結晶配向の最も進んだ形態であるバルク単結晶においては高いJcが得られていない。これは、量子化された磁束をトラップするためのピンニングセンターが単結晶では基本的に形成できないためと考えられる。 本年度は研究初年度において購入・調整した電気炉システムを用いて、大型単結晶の育成に取り組んだ。この結果、従来の二度の熱処理による単結晶の大型化の手法を改善し、使用するつぼの大きさを変えることと、熱処理条件の最適化を図ることにより10×10mm^2程度の単結晶を安定的に育成できる手法を開発することができた。この単結晶を利用した超伝導特性等の測定システムを構築し、超伝導転移温度を測定した。これに続いてこのシステムを利用した単結晶の臨界電流密度の測定システムを構築し、実験に取り組んだ。 しかし現段階では、単結晶表面に形成する電極の問題により、臨界電流密度の向上に関する研究は充分に進んでいないのが実情である。電極に要求される条件として(1)電極部の発熱による超伝導破壊を防ぐため、電極と超伝導体の接触抵抗が小さいこと(2)金属導体との接触をとるため、電極自体も金属であることが望ましい(3)電極の形成方法が簡易であること、が考えられる。現段階では電極部の不安定性が原因と思われる障害により臨界電流密度の測定が難しい状態で、高電流密度化の前段階として電極形成について高品質化を前提とした研究が緊急の課題として浮上してきている。 本研究で得られた成果を元にこれらの課題について検討し、当初の目的である単結晶における電流密度の向上についての研究を更に推進させて行きたいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hiroya IMAO, Satoru KISHIDA: "EFFECT OF STARTING POWDERS ON THE GROWTH OF LARGE Bi-2212 SINGLE CRYSTALS"Science and Engineering of HTC Superconductivity. 23-30 (2003)
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[Publications] Hiroya IMAO, T.NISHIMURA, S.KISHIDA: "Preparation of Bi-2223 Phase Superconducting Ceramics in Various Oxygen-reduced Atmosphere"Physica C. (掲載決定).
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[Publications] Satoru KISHIDA, Hiroya IMAO et al.: "Growth Mechanism of Bi-based Wiskers in a method of Al_2O_3-Seeded Quenched Glassy Platelet"Physica C. (掲載決定).
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[Publications] K.Matsumoto, M.Ogura, S.Kishida, H.Tokutaka: "Growth of Phase-Controlled Bi_2S_2Ca_<n-1>Cu_nO_y Thin Films Prepared by Off-Axis Sputtering using He Gas"Japanese Journal of Applied Physics. 42. 2671-2674 (2003)
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[Publications] K.Matsumoto et al.: "Preparation of Bi_2S_2Ca_<n-1>Cu_nO_y superconducting films by a rf magnetron sputtering method with multi-targets"Physica C. 392-396. 1306-1309 (2003)
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[Publications] 今尾浩也, 西村剛範, 竹本顕信: "低酸素雰囲気焼結によるBi-2223相超伝導セラミクスの単相化"第50回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 50. 263 (2003)