2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550021
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
押山 淳 筑波大学, 物理学系, 教授 (80143361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 実 筑波大学, 物理学系, 助手 (50334040)
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Keywords | ナノサイエンス / 密度汎関数法 / Si / SiO_2 / ナノチューブ / ナノワイヤー / コンダクタンス |
Research Abstract |
14年度の本研究課題の成果は二つに大別できる。第一は、密度汎関数法に基づく全エネルギー・電子構造計算により、各種ナノ構造の生成機構及び得られたナノ構造の新物性を明らかにしたことである。具体的には以下の3点が主要成果である。(1)半導体デクノロジーの根幹を支えているSiO_2絶縁膜中のボロン不純物の拡散機構を解明した。Siと接合を形成した際のフエルミ準位の位置により、ボロンは-1価、中性、+1価の荷電状態を取り、拡散の経路、活性化エネルギーはその荷電状態に敏感であることが見出された。またSi/SiO_2界面でのボロンの安定配置拡散経路についての知見も得られた。(2)水素で被覆されたSi(111)面上から、ナノメートルの精度で水素を引き抜き、ダングリングボンドのネットワークを形成すると、磁気的秩序が発現することが見出された。これは半導体表面のダングリングボンドの電子には強い相関効果があり、ダングリングボンドのネツトワークをデザインすることにより、新物性が期待できることを例示したものである。(3)炭素ナノチューブ、ナノピーポッドにおいては、これらのナノ構造に特徴的な内部空間の広がり、端形状の特異性により、フェルミ準位近傍の電子状態をチューブ径によって制御し得ること、端にスピン偏極が起こり得ること、などを予測した。第二には、ナノワイヤーの第一原理コンダクタンス計算プログラムの開発に成功したことである。波動関数のマッチング法により、透過率、反射率を求め、Landauerの公式より、コンダクタンスを求める手法である。Si及びAlワイヤーについて具体的な計算を実行し、特にAlワイヤーの場合は、ワイヤーを伸張するとコンダクタンスが増加するという特異な振る舞いを見出した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.OSHIYAMA: "First-Principles Calculations for Mechanisms of Semiconductor Epitaxial Growth"Journal of Crystal Growth. 237-239. 1-7 (2002)
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[Publications] A.Oshiyama, S.Okada, S.Saito: "Prediction of Electronic Properties of Carbon-Based Nanostructures"Physica B. 323. 21-29 (2002)
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[Publications] T.Akiyama, A.Oshiyama: "Microscopic Structures of the Negative Cluster in Crystalline Si"Trans. Material Research Society of Japan. 27. 189-192 (2002)
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[Publications] S.Okada, K.Shiraishi, A.Oshiyama: "Magnetic Ordering of Dangling Bond Networks on Hydrogen Deposited Si(111) Surfaces"Physical Review Letters. 90. 026803 (2003)
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[Publications] M.Otani, K.Shiraishi, A.Oshiyama: "Mechanisms of Boron Difusion in SiO2"Physical Review Letters. 90. 075901 (2003)
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[Publications] M.Otani, K.Shiraishi, A.Oshiyama: "Theoretical Study on Stable Structures and Diffusion Mechanisms of B in SiO2"Applied Surface Science. (印刷中). (2003)
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[Publications] A.OSHITAMA, S.ONADA, S.SAITO: "AIP Conference Proceedings 633 Structural and Electronic Properties of Molecular nanostrcutures"AMERICAN INSTITUTE OF PHYSICS. 635 (2002)