2004 Fiscal Year Annual Research Report
細束イオンビームによる高感度正負二次イオン像同時観察法の研究
Project/Area Number |
14550028
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
関 節子 拓殖大学, 工学部, 教授 (40196944)
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Keywords | 政府二次イオン同時検出 / 二次イオン像 / 液体金属イオン源 / 集束イオンビーム / SIMS / FIB / LMIS / イオン注入 |
Research Abstract |
液体金属イオン源(LMIS)による一次イオンを試料上に走査して,試料から放出される二次イオンを正負に分けて同時に全イオン像として観察出来た。しかしこれまで,分解能と感度の点でまだ不満足な状態であり,いくつかの改良を行い現在も続けている。感度不足の原因は主に二つ考えられる。 ひとつはLMISチップの性能である。これは自作していることもあり動作状況の安定性に欠けており,種々の試作を繰り返している。液体金属のタングステンフィラメントへのぬれ性が最重要である。もうひとつは,ビームアライメントの不良である。引出し電極,コンバータ,対物アパーチャ等の位置やサイズの調整を行った。また,一次ビーム軸が試料平面内x, y軸方向に電気的に微調整ができるようにした。以上の改良,調整により感度の改善ができた。さらにこれまでのデータ処理系の不備があらたに判明し改善することができた。 また,SIMSの高感度高精度な測定を目指していくつかの測定法の開発を行ってきた。基礎実験として,酸素及びセシウムをあらかじめ試料にイオン注入してからガリウム液体金属イオンで走査してイオン像を得ることにより,正イオン像及び負イオン像の感度が明確に上がることを確認した。この手法と,試料の傾斜研磨法を併用することは有用であった。とくにこれまで表面に凹凸のある多層膜試料は,SIMSの深さ方向濃度分布の測定は困難であったが,この二つの手法を用いることによって深さ方向の元素の分布状態を明確にすることが出来た。さらに,深さ方向分布測定の精度を上げるために,試料を極めて小さく加工しミニチップ試料を作りこれを測定することにより,SIMSの深さ分解能を阻害する源の妨害イオンを除去する手法にも着手している。
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Research Products
(3 results)