2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550034
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
COLE James B 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (20280901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 東生 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (70202075)
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Keywords | フォトニック結晶 / マックスウェル方程式 / 光スイッチ / 高精度FDTD法 / GNSFD法 / 光メモリ / Mie散乱 / 光回路 |
Research Abstract |
<はじめに>:フォトニック結晶構造中を光が伝播するとき、ある特定の波長領域の光の伝播が禁じられるフォトンニック・バンドギャップ(PBG)が形成されることがある。フォトニック結晶から、誘導体や空孔の一部を選択的に取り除いたり、そのサイズを変えることで、フォトニック結晶に"欠陥"を導入してPBG中でも光が伝播したり、あるいは光が欠陥に局在したりする興味深い機能が実現できることが、最近分かってきた。更には、線形光分散がない媒質に周期的構造を導入すると、非線形光分散が生じることも分かった。これらの現象を利用して、サブミクロン・サイズ要素の作成を目指した研究開発をおこなっている。特に光集積回路、光メモリ、光スイッチ、パルス圧縮デバイスの開発を目指している。可視光や近赤外域のフォトニック結晶作製技術は既に存在しているが多大な費用を要するので実物作製以前に、その特性を予測することが重要になる。その予測には、Maxwell方程式を解く必要がある。無限に大きい完全結晶には解析的な手法があるが、これらは一般に使いにくく、任意の構造は取り扱えないので、数値的な手法が重要になる。時間領域差分近似(FDTD)法はMaxwell方程式を解くのに適切なアルゴリズムだが、既存のFDTDの精度は不十分であった。我々は新しい高精度FDTDを開発し、既存のFDTDの精度より10,000倍程度の向上を実現した。 <成果>:高精度アルゴリズムを応用して、フォトニック結晶の特性を実際に計算にするには、よい計算モデルを作って、数値グリッド上にフォトニック結晶を表現する必要がある。有限な計算空間が無限に近い計算空間を擬似するためには、計算空間の境に吸収境界条件が必要となる。光がフォトニック結晶を出て、計算空間の境に到達すると、反射なしで、光が消える。多くの吸収境界条件が開発されているが、一般的によい吸収境界条件ほどより大きな計算量が必要になる。我々がは、新しく低コストで性能が高い吸収境界条件を開発した。本年度までに(1)計算モデルを完成(2)新しい低コスト、高精度二次吸収境界条件を開発(3)低コスト、高精度三次吸収境界条件を実験的に開発(4)実験的パルス圧縮デバイスのデザイン(5)アルゴリズム開発を完成して二次元の数値シミュレーションを完了(6)本格的三次元プログラムによる計算を完了した。新たに本研究を進展させて、様々なデバイスの設計を行おこなっており、マイナス屈折率を利用した高解像度デバイスや光学的生物構造の研究を行っている。
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Research Products
(6 results)