2002 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光を利用した光エネルギー蓄積材料の育成と長残光特性
Project/Area Number |
14550037
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山家 光男 岐阜大学, 工学部, 教授 (90159202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 展宏 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (90282152)
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Keywords | 長残光 / 蓄光材料 / メリライト結晶 / 希土類イオン / ユーロピュームイオン / 電子・正孔再結合 |
Research Abstract |
試料の作成 本研究の蓄光材料は、付活剤としてEuイオンを含むメリライト結晶構造をもつCa_2Al_2SiO_7(CASM),(Ca_1-_xSr_x)_2Al_2SiO_7(CSASM),Sr_2Al_2SiO_7(SASM)である。付活剤EuはEu_2O_3の形で母体原料に仕込み、その仕込み濃度はCa, Sr対して0.001以上0.2原子%の範囲である。これらの組成をもつ蓄光材料はアルゴンガスや窒素などの不活性ガス雰囲気あるいはそれらに水素ガスを混合した還元雰囲気で1200-1700℃の高温で固相反応により焼結体、粉末の形で合成された。 発光・励起スペクトル アルカリ土類金属(Ca, Sr)の種類や混晶比(x)によって、発光波長が青色、緑色、橙色と大きく変化する。Eu : CASM, Eu : CSASM(x=0.5),Eu : SASM結晶はそれぞれ440nm,515nm,520nmにピークを持つ発光スペクトルをもち、それらの発光は紫外線や青光で強く励起された。 長残光強度の時間温度依存性 1-500Kの温度範囲で、紫外光照射後のEu : CASMからの残光強度を時間1-200秒の範囲で測定した。時間に対する減衰曲線はt^<-n>(n=0.7-0.9)を示す。これは残光が光照射で作られた電子・正孔対がトンネル効果によって再結合し、発光することを示している。室温では残光強度は強いが、温度を上げると残光強度は弱くなる。この結果より、高温になると無輻射遷移が起こると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Yamga, Y.Tanii, N.Kodama, T.Takahashi, M.Honda: "Mechanism of long-lasting phosphorescence process of Ce^<3+>-doped Ca_2Al_2SiO_7 melilite crystals"Phys. Rev. B. 65. 235108-1-235108-11 (2002)
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[Publications] N.Kodama, N.Sasaki, M.Yamaga, Y.Masui: "Mechanism of long-lasting phosphorescence of EU^<2+> in melilite"Radiation Effects and Defects in Solids. 157. 915-919 (2002)
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[Publications] M.Yamaga, T.Inoue, S.Yabashi, et al.: "Site symmetry and crystal field splittings of Ce^<3+> in LiLuF_4 and LiSr_<0.8>Ca_<0.2>AlF_6"Radiation Effects and Defects in Solids. 157. 977-982 (2002)