2003 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸油濁問題解析のための数理モデルの構築と数値シミュレーション手法に関する研究
Project/Area Number |
14550056
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水藤 寛 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10302530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原田 秀夫 流通経済大学, 流通情報学部, 教授 (90010793)
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Keywords | 数値シミュレーション / 非ニュートン流体 / 数理モデル / 流出原油 / 数値解析 / 多孔性媒質 / 分散剤 |
Research Abstract |
本研究では、タンカー事故等によって発生する原油流出事故における流出原油の海岸付近での挙動について数値シミュレーションを用いて解析し、分散剤(油処理剤)の使用をはじめとする事故対策立案の一助となるような指針を得ることを目的としている。 平成15年度は、非ニュートン流体として振る舞うムース化した原油の挙動を扱うため、高粘度の流体と低粘度の流体が混在するような状況をシミュレートするアルゴリズムを構築し、計算コードを作成した。高粘度の流体を扱う場合と低粘度の流体を扱う場合では、流体の運動を支配するNavier-Stokes方程式の中で主要となる項が異なるため、シミュレーションコード作成にあたっては充分な注意が必要となる。本研究では特に時間積分の部分と境界条件の扱いの部分について高精度化を行い、流出原油が非常に高粘度になった状態をもシミュレート可能とした。また、砂浜を多孔性媒質と捉えてモデル化し、砂浜内部の流れをより高精度でシミュレートするための検討も併せて行った。 また、これらの計算コードを用いて計算を進め、実験データと比較してプログラムの信頼性を確認する作業を進めてきた。実験データとしては原油、分散油、風化油それぞれについて、砂浜への浸透量が報告されている。本研究においても、実験と同一の条件を用いてシミュレーションを行い、一定期間の潮汐と波の運動を与えた後に砂浜内部に浸透している原油の総量について実験データと比較し、それに基づいてモデルの信頼性についての評価を行った。
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