2003 Fiscal Year Annual Research Report
筋強直の持続時間への遅いチャネルの寄与の数理的解析
Project/Area Number |
14550061
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
寺田 和子 東邦大学, 医学部, 講師 (10217424)
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Keywords | Hodgkin-Huxley方程式 / 筋肉 / イオンチャネル疾患 / 非線形力学系 / 分岐 / トランジェント / 発火 / 強直 |
Research Abstract |
筋強直症(ミオトニー)は,随意運動等をきっかけとして筋が強直してしまう疾患であるが,強直の持続時間は,数分から30分程度のかなり長時間の場合と,1秒以下の一瞬の場合がある。従来行ってきた筋肉のHodgkin-Huxley方程式(以下でHHM式とする)を用いた研究では,エネルギー等の枯渇がなければ強直が永久に持続するタイプのみを対象として生理的知見を定性的によく説明する結果を得てきた。 本研究では,遅いチャネルの項をもつ筋肉のHodgkin-Huxley方程式(HHM式)において,イオンチャネルの特性値をパラメータとした分岐現象を,力学系の理論を援用しつつ数値的に調べていく。 これまでの研究の結果から,長時間続く筋の強直すなわち筋細胞膜での連続発火は,HHM式での周期解に対応していると考えられる。一瞬の強直に対応するようなHHM式の解は,おそらく,膜の静止状態に対応する安定平衡点をいったん離れて再びその平衡点に戻る長いトランジェントな解であろうと予想される。そこで,平衡点の固有値等,解空間の構造も詳細に調べていく必要がある。 本年度,神経生理学者らとの討論および文献から,筋肉においても,神経においてと同様に,Ca依存性チャネルおよび細胞内の陽イオンの蓄積が重要な役割を果たしているとの示唆が得られた。今後は,このような現象をモデルにどのように記述すべきか検討していく。また,本年度モデル解析では,従来のHHM式において,NaチャネルおよびClチャネルの性質が変化した場合の分岐現象を調べた。今回用いた手法で,今後,Ca依存性チャネルを考慮した場合等の解析を行なっていく。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Terada K., Nishimura C.: "Model analysis of the ion channel diseases of muscle"統計数理研究所研究教育活動報告. No.17. 392-393 (2003)
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[Publications] Terada K., Nishimura C.: "Analysis of channelopathies in the Hodgkin-Huxley Equations for muscles"Abstracts of International Symposium on Dynamical Systems Theory and Its Applications to Biology and Environmental Sciences. Volume 1. 158 (2004)