2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋強直の持続時間への遅いチャネルの寄与の数理的解析
Project/Area Number |
14550061
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
寺田 和子 東邦大学, 医学部, 講師 (10217424)
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Keywords | Hodgkin-Huxley方程式 / 筋肉 / イオンチャネル疾患 / 非線形力学系 / 分岐 / トランジェント / 発火 / 強直 |
Research Abstract |
筋強直症(ミオトニー)は,随意運動等をきっかけとして筋が強直してしまう疾患である。強直の持続時間は,数分から30分程度のかなり長時間の場合と,1秒以下の場合がある。従来行ってきた筋肉のHodgkin-Huxley方程式(以下でHHM式とする)を用いた研究では,エネルギー等の枯渇がなければ強直が永久に持続するタイプのみを対象として,生理的知見を定性的によく説明する結果を得てきた。 本研究では,持続時間の短い強直の発生機序を解析するため,遅いチャネルの項をもつ筋肉のHodgkin-Huxley方程式(HHM式)において,イオンチャネルの特性値をパラメータとした分岐現象を,力学系の理論を援用しつつ数値的に調べていく。 これまでの研究の結果から,長時間続く筋の強直すなわち筋細胞膜での連続発火は,HHM式での周期解に対応していると考えられる。一瞬の強直に対応するようなHHM式の解は,おそらく,膜の静止状態に対応する安定平衡点をいったん離れて再びその平衡点に戻る長いトランジェントな解であろうと予想される。そこで,平衡点の固有値等,解空間の構造も詳細に調べていく必要がある。 本年度は,昨年にひきつづき,NaチャネルおよびClチャネルの性質が変化した場合の分岐現象を調べ,Clチャネルの影響により強直が収束する過程が複素固有値の影響であることをみた。また,生理的知見から重要な役割を果たしていると考えられるCa依存性チャネルをモデルに取り入れることを試みた。Ca依存性チャネルについては,哺乳動物のHHM式で具体的なパラメータを得た実験結果が文献上見つからなかったので,神経のHH式や両生類のHHM式等によるパラメータで検討を行った。このチャネルの影響により短い強直が生じうるかは,今後さらに検討を続ける。
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Research Products
(3 results)