2002 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学効果及び摩擦を考慮した関節軟骨の有限要素解析手法の開発
Project/Area Number |
14550067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
陳 献 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70313012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎木 都夫 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40215520)
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Keywords | 有限要素法 / 関節軟骨 / 3相理論 / 摩擦接触 |
Research Abstract |
関節軟骨の変形・破壊等による変形性関節症は力学的負荷に起因するとされ,生体内計測の難しさに加え,関節部力学挙動の強い非線形性により接触力分布を解析的に求めることが困難であるため,近年数値解析手法としての有限要素法が有力な手段として関節接触解析に導入されている。関節では骨を覆う関節軟骨が接触面を形成している。関節軟骨は間質液とプロテオグリカン凝集体やコーラゲン繊維で構成される2相性構造を持ち,人体の運動により関節軟骨間の相対滑りを生じる。さらに間質液や関節液のイオン濃度が軟骨の形状、体積などに影響を与える。本研究ではこのような構造について固体相・流体相・イオン相間の相互作用を考慮した3相理論に基づく非線形有限要素定式化を行い,軟骨のような人体軟組織を対象とした大変形非線形有限要素解析プログラムを開発した.数値解析例を通じて,流体・固体間の相対運動における抵抗を表す浸透係数及び電気化学効果によるイオン相濃度差に起因する浸透圧が軟組織の粘弾性及びスウェリングといった力学挙動に及ぼす影響を確認した.一方,有限要素解析における接触表面の離散化により生じる大変形摩擦接触解析の不安定性を解決するため,接触表面の平滑化手法としてGregory patchを導入した効率的大変形摩擦接触解析プログラムを開発している.これらの研究により,関節面における力学挙動を解明するための関節摩擦接触解析手法の開発を進めている.
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