2002 Fiscal Year Annual Research Report
ラミネートの界面破壊力学とそのLSIパッケージ設計への応用
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14550083
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
戸谷 眞之 鹿児島大学, 工学部, 教授 (90026279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 武博 日本電気株式会社, 主任
小田 美紀男 鹿児島大学, 工学部, 助手 (30274856)
有冨 正男 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60094116)
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Keywords | 積層材料 / はく離 / エネルギー解放率 / 低速度衝撃 / 熱的負荷 |
Research Abstract |
本年度の研究実績 1.初期内部はく離を有する積層はりの低速度衝撃によるはりの動的挙動を解析した。衝撃棒が一定速度で衝突する対称3点曲げを対象とし、はりの振動に対する固有関数展開とラプラス変換を用いて、たわみの過度応答に対する閉じた解を得た。またこの解より、エネルギー解放率の時間変化の挙動を導いた。ついで、はり下面にひずみゲージを貼付したアクリルはりについて落重試験を行い、衝撃によるこの点のひずみの時間変化を測定した。その結果、理論は衝突直後まで(5ms程度)は実験と良く合うが、それ以後、理論予測と実験の差は時間と共に大きくなることが見出された。この原因は、ある程度たわむとはく離部に座屈が起こり、このためはりの見掛けの曲げ剛性は小さくなることによると推定された。今後の課題は、座屈を考慮した解析を実行することである。 2.異種の弾性円板を貼り合わせて作られた積層板中の内部円形界面はく離の温度こう配による進展を解析した。積層板の上下面が異なった温度に保たれ、しかもはく離面間に開口変位および温度ギャップがない場合、エネルギー解放率は常に0であり、はく離進展は生じえないことが理論的に示された。しかし、実際には開口変位をゼロと仮定すると、界面はく離の上下面間には引っ張り相互作用力が生じることになり、これは面間の接触力は常に圧縮でなければならないという基本的仮定に反する。そこで、はく離面の非接触を仮定したモデルについて新たに解析を行った。その結果、温度こう配が臨界値に達すると、はく離部に誘起される圧縮面内力によりはく離部分に座屈が生じてエネルギー解放率は急激に増大し、そのためはく離進展が生じうるようになることが見出された。
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