2003 Fiscal Year Annual Research Report
コースティックス法による各種負荷モード下での極異方性材の応力拡大係数の評価
Project/Area Number |
14550092
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
生水 雅之 舞鶴工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (70311040)
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Keywords | コースティック法 / 極異方性 / 応力拡大係数 / 初期曲線 / 3次元応力場 / 直交異方性 / 3次元有限要素法 / 直接シミュレーション |
Research Abstract |
木材を構造部材として用いる場合,他の部材との接合点を継手や仕口と称されるはめあい構造とすることが多く見られ,そこには多くの切欠きが存在し,部材の破壊はしばしばこの応力集中部から発生する.本研究では,表面反射型コースティックス法を乾燥ヒノキ材に適用し,モードI型負荷における応力拡大係数K_1の実験的決定に関する基礎的な検討を行った.その際,ヒノキ材を極異方性として取扱う上で重要な前提となる直交異方性とみなし,切欠き先端近傍の応力・変位場を三次元有限要素法(3D-FEM)を用いて解析し,ラグランジュ補間法によりコースティック像の直接シミュレーションを行い,得られた実験像との比較・検討を行った.また切欠き先端近傍の面外変位分布についても,2Dおよび3D-FEM解析を行い,初期曲線の大きさと三次元応力場の関係について考察を行った.得られた結果は以下のようにまとめられる.1.本材の板目面,柾目面および木口面の三方向に対して測定時の初期曲線r_oが,本研究で得られた最小の初期曲線の大きさr_o^<min>より大きい範囲において,ほぼ正確な応力拡大係数を測定することができる.2.最小の初期曲線の大きさr_o^<min>は,三方向ともに試験片板厚の半分程度となり,これまでの等方性材料の場合と同様な結果が得られた3.3D-FEM解析により,コースティック像のシミュレーションを行うとともにその数値解析手法について提示を行った.その結果,像の最大直径の大きさは初期曲線の大きさによらず実験像とほぼ一致した.4.切欠き先端の面外変位分布は2Dおよび3D-FEM解析で違いがみられ,その差違が生じる領域はr_o^<min>とほぼ一致した.なお,今後本研究成果はすべて極座標変換を行い「コースティックス法の極異方性材への適用に関する基礎的研究」として日本機械学会論文集A編に投稿予定である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 生水 雅之: "コースティックス法によるモードI,IIおよびIII荷重下の応力拡大係数の測定に関する実験的・数値解析的検討"材 料,日本材料学会論文集. 52・12. 1496-1501 (2003)
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[Publications] 生水 雅之: "コースティックス法による木材の応力拡大係数の測定に関する研究"M&M2003 日本機械学会材料力学部門全国講演会論文集. 03-11. 235-236 (2003)
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[Publications] 生水 雅之: "ヒノキ材の応力拡大係数の実験的決定に関する研究"平成15年度連合溝演会講演論文集,(社)日本鉄鋼協会・(社)日本金属学会北信越支部共催. 54-54 (2003)
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[Publications] 生水 雅之: "コースティックス法によるヒノキ材の応力拡大係数の測定に及ぼす採取方向の影響"第35回応力・ひずみ測定と強度評価シンポジウム講演論文集,(社)日本非破壊検査協会. 31-36 (2004)