2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ照射による金型のみがき工程短縮化に関する研究
Project/Area Number |
14550097
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田村 武夫 新潟大学, 工学部, 助教授 (90115048)
|
Keywords | 放電加工 / レーザ照射 / クラック / 残留応力 / 表面粗さ |
Research Abstract |
1.レーザ照射による放電クラヅクの消失 レーザ照射も放電加工と同様に溶融・再凝固過程を伴う.しかしながら,ビームの進行方向には必ず溶融域が存在し,材料への拘束力が小さくなることが予想される.この点に着目して,放電加工面にレーザビームを照射し,クラック発生の有無を走査型電子顕微鏡で観察した.その結果,放電加工面に存在していたクラック,微小穴などの欠陥はすべてなくなり,なめらかな面になっていることがわかった.ただし,本研究では試料に吸収剤を塗布することなしにレーザ照射を行っている. 2.レーザ照射面の残留応力 上述1の結果より,レーザ照射面にはクラックは発生しなかった.しかしながら,溶融・再凝固過程:を伴うことから,残留応力の発生が予想され,その照射面の残留応力をX線を用いて測定した.その結果,レーザ照射面に発生する残留応力は引張りであり,500MPa以上と大きいことがわかった.次に,走査方向の残留応力は550〜700MPaであるのに対して,走査方向と直角方向の残留応力は750〜850MPaと常に前者より大きく,残留応力は明りょうな方向性を示していた. 3.レーザ照射面の粗さ レーザ照射による溶融状態の界面に働く表面張力が表面粗さを効果的に減少させるものと考えられる.レーザビームをどのように重ね合わせたら,最もなめらかなレーザ照射面が得られるかを触針式の表面粗さ計で測定し,検討を行った.放電加工面では25μmRyであったものが,レーザ照射によって,ビームの走査方向では3μmRy,走査方向と直角方向では5μmRyとなり,面粗さも大幅に改善することができた.この最適なレーザ照射条件は、出力800W、送り速度300mm/min,および重ね合わせピッチは0.25mmであった.
|
Research Products
(1 results)