2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550120
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
京極 啓史 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70153236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 智久 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70334513)
桃園 聡 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70262300)
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Keywords | 接触 / 摩耗 / 凝着 / 摩耗形態 / 真実接触 / 表面粗さ / 摩擦 / 接線力 |
Research Abstract |
本テーマは,Burwell-Strangの摩耗状態の遷移に関する仮説,すなわち「粗さを持つすべり接触面の摩耗率の上昇が,表面下の降伏領域のオーダが微小突起レベルから見かけの接触部のレベルへと移るためであるとした」説を実験的に検証することを目的としている.そこで,昨年度から垂直荷重とせん断荷重を受ける粗さ面接触部を観察することにより降伏領域のオーダの変化をとらえ,上記摩耗状態の遷移を起こす圧力条件を定量的に推定する試みを行ってきた.本年度は,昨年度に実施した予備実験の結果をふまえ,単一突起による接触部表面下の変形そのものの直接観察,および真実接触点の成長によるランダム粗さ面の観察の両面から,より高いレベルでの遷移圧力推定の定量化の試みを行った.具体的には以下のようになる. 1.硬い面にある粗さ突起を模した硬質くさびを軟らかい平滑面に押しつけ,荷重をかけながら相対すべりを行うことにより変形させた.その後,あらかじめ軟かい面の側面にきっておいた格子の変形を観察し,これと有限要素解析結果との比較により申請者らによる理論を補正し,遷移圧力条件の推定の高精度化を行った. 2.ランダムな粗さ面の接触における遷移圧力を実験的に見積もることを目的に,全反射顕微鏡を用いた真実接触点観察装置を製作した.また,本装置は荷重をかけた状態ですべり運動が可能であるが,まず予備的な実験として,ブラスト加工によるランダムな粗さ面の接触における垂直荷重のみの増加による真実接触点の成長・増加の様子を観察し,遷移圧力推定のための理論の検証実験に用いる性能を十分に持つことを確認した. なお,今後は,本年度に製作した観察装置を用いて,垂直荷重を粗さやすべりの影響による真実接触点の変化の様子を詳細に調べ,幅広い接触状態に対応できる摩耗状態遷移圧力の推定理論の構築を試みていく.
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Research Products
(1 results)