Research Abstract |
当初予定していた,歯面膜要素のみをGlobal領域(Boussinesqの解と有限要素解を重ね合わせる領域)とし,他をすべてLocal領域(有限要素解のみで定義される領域)とするGlobal Local有限要素解析の定式化は終了したが,そのコーディングに手間取り,残念ながら,未だ完成していない.後1ないし2ヶ月で完成する見通しである. 一方,開発中の解析システムの信頼性を確認するために行ってきた静荷重を受ける円筒歯車の歯面接触圧力測定実験では,感圧フィルムを用いた測定法に一応の見通しをつけることができた.圧力測定に感圧フィルムを用いるため,その接触部の状態が,本来測定したい金属間の接触とは異なるため,測定結果をそのままで用いることはできない.そこで,本研究では,ヘルツの接触理論を応用することにより,その結果を補正する方法を提案した.さらに,感圧フィルムの圧力による変化が可逆的であるため,負荷を大きくしていくことによる接触状態の変化を測定することができないため,将来を見据えて,非可逆の圧力センサーの開発にも取りかかった.ここでは,上述のセンサー材質による接触状態の変化をなるべく小さくすることも考慮に入れ,僅かではあるが,その方向を見いだせたものと考えている. 前述のように,ソルバーの開発が遅れたために,軸をも含んだ系の解析は行っていないが,現在進んでいる円筒歯車の強度基本規格ISO 6336の次々版へ向けての調査として行っている大ねじれ角歯車への適用時の問題点の洗い出しに現有ソルバー(通常の有限要素解析を利用)を用いたシステムでの解析結果を提出し,貢献している. さらに,最終的な目標である歯車を含んだユニット全体の解析をも視野に入れ,問題となる軸受剛性の取り扱い法を明らかにするため,軸受剛性の評価実験も始め,データが集まりだしている.
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