2003 Fiscal Year Annual Research Report
凍結路面のスリップ防止に散布されたビリ砂利の噴流を用いた高性能回収システムの開発
Project/Area Number |
14550137
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮越 勝美 北見工業大学, 工学部, 助手 (00142795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聡一郎 北見工業大学, 工学部, 助教授 (30250541)
羽二生 博之 北見工業大学, 工学部, 教授 (70172955)
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Keywords | 吹払い噴流 / ビリ砂利 / 凍結路面 / スリップ防止 / 噴流速度 / 吹払い距離 / 回収システム / 跳躍運動 |
Research Abstract |
北海道などの積雪寒冷地では、凍結路面上のスリップによる車両事故や歩行者の転倒事故を減少させるため、交差点付近や勾配のある路面などに粒径2〜10mm程度の砂利いわゆる"ビリ砂利"が散布されている。冬期間大量に散布されたビリ砂利を雪解け後に回収する必要があるが、既存の大型路面清掃車による回収では、回転ブラシや車外に放出されるブロワー排気などによる埃の巻き上げや大きな騒音が発生し、さらに、ビリ砂利をその他の塵芥と一緒に回収するためビリ砂利の再利用が困難となるなどの問題がある。このため本研究は、路面と平行または適当な角度で噴きつけた空気噴流によって、ビリ砂利や土・塵芥を寄せ集め吸引ノズルで吸い込む排気循環型ビリ砂利回収システムの開発を目的とする。 平成15年度は、前年度明らかにした吹き払い用二次元ノズルの最適な設置条件に基づき、粉塵飛散防止用カバーの天井高さや幅がビリ砂利の吹払い距離に与える影響を明らかにした。さらに、二次元のビリ砂利吸引ノズル装置を試作し、吹き払い噴流によるビリ砂利の移動状態ならびに吸引ノズルを路面と非接触とするための遮蔽用噴流の効果を調べ、以下の結果を得た。 1.乾燥したビリ砂利の吹払い領域は、路面から1.5mm上方における10m/s以上の噴流速度領域にほぼ一致することがわかった。したがって、路面上の噴流速度分布の測定からビリ砂利の吹払い領域を推定することが可能であると考えられる。 2.粉塵飛散防止用カバーを想定し天板を設置した場合、天板設置高さが75〜120mmの範囲におけるビリ砂利の推定吹払い距離は天板がない場合とほぼ等しく、天板設置による吹払い距離への影響は小さいことがわかった。 3.吹払い噴流の中心から50〜175mmの範囲で主流と平行に片側側壁を設置した場合、ビリ砂利の推定吹払い距離は側壁の無い場合より増加する。その増加量は150mmの位置に設置した場合約11%であった。これは側壁の設置により、噴流の水平方向の広がりが抑制されるためである。 4.吹払い噴流によるビリ砂利の移動は、路面上の転動と跳躍(saltation)によるものであることがわかった。したがって、移動中のビリ砂利を効率よく吸引するためには、跳躍しているビリ砂利の捕集が重要である。
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