2004 Fiscal Year Annual Research Report
直交2円柱間に生じる首飾渦の挙動とその操作による剥離流の制御に関する研究
Project/Area Number |
14550168
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
山田 英巳 徳山工業高等専門学校, 機械電気工学科, 教授 (00116766)
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Keywords | 直交配置2円柱 / 首飾渦 / 渦構造 / 可視化実験 / PIV計測 |
Research Abstract |
本研究は、流れに垂直で互いに直交する2円柱の周りの流れ場において、2円柱の中心間距離がおよそ3d(dは円柱直径)より小さいときに2円柱間の間隙内で形成される首飾渦の構造の解明し、さらに2円柱からの剥離流と首飾渦との関係を把握することにより首飾渦の挙動を操作することにより2円柱からの剥離流をも制御できる可能性があるのか否かを実験的に確認することを目的とする。 これまでに、2本の円柱の間隙比s/d(sは間隙距離)と間隙内に形成する首飾渦構造との関係については、上流円柱背後の片側半分の領域に注目すると、間隙比s/d=0〜0.1の場合に2渦系の首飾渦が、s/d=0.2〜0.5の場合に4渦系の首飾渦が形成されていることが分かってきた。さらに、s/d=0.8を超えると2円柱により制約された空間内におけるカルマン渦の構造に近づいていくことも明らかになった。また、2円柱の間隙比が小さい場合には複数の渦からなる首飾渦系の一部が2円柱の背後に回りこみ、主渦と同回転の首飾渦が上流円柱から流出するカルマン渦の交差部側の端部で再循環領域を形成し、他の一部が下流円柱からのカルマン渦の端部と結合していることが色素流脈法により観察された。 平成16年度はまず首飾渦の流出経路に及ぼす間隙比の影響について調べた。その結果s/d=0.2のときに首飾渦の流出経路が上流円柱のスパン方向に最も広がることが分かった。したがってs/d=0.2のとき交差部近傍で剥離を生じにくい領域が最大になるものと推測される。また、2円柱の直径比を変化させて形成される首飾渦系パターンの変化を調べると、その境界は上流円柱の直径が小さい場合には大きい間隙比にシフトする等のことが分かった。したがって、剥離領域を最小にする間隙比も直径比等により比較的容易に操作できることから、首飾渦の操作により剥離流領域を制御し、これに基づく抗力を低減させることができるものと期待される。
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Research Products
(1 results)