2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550172
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
稲村 隆夫 弘前大学, 理工学部, 教授 (10143017)
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Keywords | 微粒化 / 噴霧特性 / 液膜 / 衝突微粒化 / 理論解析 / 膜厚測定 / 触針法 / 液膜分裂モデル |
Research Abstract |
本年度は,膜レイノルズ数の小さな層流液膜流について実験ならびに理論解析を行い,両者を比較して理論解析の妥当性を検討することを目的としている。まず,比較的液噴流の噴出速度の小さな壁面衝突実験装置を製作し,衝突角度を変えながら現有の触針法を用いた膜厚自動測定装置によって壁面上を流動する液膜の厚さを測定した。壁面上の液膜厚さは,液膜が微粒化後の噴霧特性に大きな影響を与える重要な因子であるので,その特性を詳細に把握する必要がある。測定結果によれば,液噴流軸を含み壁面に直交する面内で膜厚は最大となり,周辺にいくにしたがって一旦減少し最小となった後,再び急激に増大することが分かった。衝突角度の影響については,衝突角度(液噴流軸と壁面とのなす角)が大きくなるほど液噴流軸を含む面内にある液膜の最大値は減少し,膜厚分布はより一様な分布に近づく。次に,壁面上での液膜流動に関する理論解析を行った。解析に先立ち,流れは層流二次元とし,壁面上のよどみ点から下流方向に層流境界層が発達すると仮定して,層流境界層内の速度分布には4次式を仮定した。壁面上のよどみ点と,液噴流の中心軸と壁面との交点である衝突点は,衝突角度が90度よりも小さいときはずれるが,そのずれには空気噴流の壁面衝突の理論解析結果を適用した。以上の仮定を設け,層流境界層の運動量方程式を解析的に解いて壁面上の液膜厚さを求めた。その結果,液膜厚さの測定値と解析結果はほぼ一致した。ただし,液膜厚さの最小値は測定値の方がやや大きくなった。これは,液膜表面が波立っているため,触針法による測定に誤差が生じたためと思われる。また,液膜周辺部で膜厚の測定値が解析値よりも大きくなった。これは,理論解析ではハイドロリックジャンプを想定していないが,実際には壁面との摩擦,表面張力等によりハイドロリックジャンプが生じ,膜厚が急激に増大したためと思われる。
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Research Products
(1 results)