2003 Fiscal Year Annual Research Report
超高熱伝導率炭素繊維の物性計測およびMDシミュレーション
Project/Area Number |
14550185
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
張 興 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (40236823)
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Keywords | 物性計測 / 炭素繊維 / 熱伝導率 / 電気伝導率 / 分子動力学シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は超高熱伝導率炭素繊維自体の熱伝導率および電気伝導率を測定することと、両者の相関関係を明らかにすることを目的としたものである。 前年度の熱処理温度が異なる炭素繊維材を対象にした測定を目的とした実験および解析に続いて、本年度は、新しく創製された炭素繊維を対象に系統的な熱伝導率および電気伝導率の実測を行った。さらに、SEMやX線回折および分子動力学シミュレーションによる熱伝導率の増加傾向と組織構造との相関を定量的に明らかにした。詳細な研究内容を以下に示す。 1.新しく創製された製造工程が異なる炭素繊維材を対象にした測定を行い、製造工程や熱処理温度などの違いが熱伝導率におよぼす影響を明らかにした。測定結果より、カーボンファイバーの熱伝導率は、炭素化処理温度が高くなるにつれて大きな値を示すことが確かめられた。 2.走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線回折装置を用い、カーボンファイバーの断面組織構造、グラファイト面方向の結晶粒サイズ、面積層厚さ、面間距離および配向度の測定を行った。その結果、結晶粒の軸方向サイズと熱伝導率の間に線形関係があることが分かった。 3.第一原理計算に基づいた分子動力学シミュレーションを試みた。 4.本研究により、超高熱伝導率炭素繊維自体の熱伝導率および電気伝導率を正確に知り、両者の相関関係を明確にした。その結果、超高熱伝導率炭素繊維の製造法の改善に対する貴重な指針を与えることになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Fujii, X.Zhang, H.Sakai: "Measurement of thermal conductivity of a fine carbon fiber"Proc.of Carbon Materials to Save the Earth -Chinese, Korean and Japanese Contribution-, Beijing, October 13-15,2003.. 1. 148-150 (2003)
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[Publications] X.Zhang, M.Fujii, H.Sakai, H.Q.Xie, I.Mochida: "Measurements of the thermal and electrical conductivities of a single carbon fiber"Proc.of 3^<rd> Int.Conference on Heat Transfer, Fluid Mechanics and Thermodynamics, Cape Town, South Africa, June 21-24,2004.. In press. (2004)