2004 Fiscal Year Annual Research Report
ガス溶解に伴う三相界面のミクロ液膜構造とマランゴニ流の解明
Project/Area Number |
14550197
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
鴨志田 隼司 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30052856)
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Keywords | 固・気・液三相界面 / 動的メニスカス / ガス吸着 / 表面張力差 / マランゴニ対流 / 界面ぜん動流動 / 薄液膜現象 / 表面性状 |
Research Abstract |
固体-気体-液体の三相境界に形成される界線におけるガス吸着もしくは吸収は気液二相の境界に形成される界面よりも優先して促進されることは良く知られている事実であり,この促進効果には密度・温度・濃度の差に起因するマランゴニ対流が関係する.殊にこの領域において,温度勾配,液相に対する固相の相対的運動などが作用すると接触界線は薄液膜状態となり,その先端部でぜん動運動が発生し,より激しい流動が誘導されるようになる.こうした現象が機器の性能を左右する分野に,半導体製造における洗浄・乾燥プロセス,吸収冷温水気の吸収器などがある.これらの装置の要素機器中に存在する三相境界の薄膜部へのガス吸着・吸収および溶解現象が促進されると,これらの装置の局所における熱・物質移動が改善され,装置・プロセスの省エネ・省資源化がさらに進むようになる. このような課題は,基礎的な研究を通して機器の運転操作時のマランゴニ対流の流動挙動を精密に解析することを求めている.これを解明するには微細な構造に関わる物理化学的な現象を動的な方法で研究する必要がある. 本研究はこうした状況を背景に,マランゴニ対流が支配する各種の物質移動現象を実験的に解析し,三相界面における物質移動現象を支配している外的要因についての基盤的な知見を得ることを目的とし,以下の結果を得た. 固体表面の濡れ性による物質移動促進の程度が異なるという知見を得た。またこれに固体表面の濡れ性によりぜん動運動により発生する表面波の振動・振幅成分が異なるという液表面の観察を合わせて表面波による物質移動促進メカニズムを提案した。また接触界線に働くマランゴニ対流による力学的作用を検出し,濡れ性によらず力学的作用の働く方向は同じであることを明らかにした.
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