2003 Fiscal Year Annual Research Report
視覚・触覚・聴覚を仮想提示する際の衝突・接触・変形現象のモデリングに関する研究
Project/Area Number |
14550247
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
登尾 啓史 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (10198616)
|
Keywords | バーチャルリアリティ / 物理アニメーション / ハプティックス / レオロジー物体 / バネ・マス・ダンパモデル / 撃力アルゴリズム / ダイナミックアニメーション / 剛体 |
Research Abstract |
本年度は、剛体衝突の分野では、新しい撃力生成アルゴリズムを提案し、レオロジー物体変形の分野では、新しいバネ・マス・ダンパモデルを提案し、その未知パラメータを同定した。 まず、この剛体衝突の分野では、Baraffの同時多点衝突アルゴリズムやMirtichの撃力生成アルゴリズムが広く知られている。しかし、Baraffのアルゴリズムには、静止摩擦や動摩擦があるときうまく機能しないうえ、瞬発的な力しか生成されないという欠点がある。一般に、たとえ金属のような硬い物体同士の衝突でも、発生するのは力ではなく撃力(力の時間波形)であることが多い。したがって、Baraffのアルゴリズムは実用的ではない。一方、Mirtichの撃力生成アルゴリズムは、時間を考慮しなくてもよいという利点がある。これは、実際の力波形ではなくその面積を利用して、垂直方向の運動量の変化量から接線方向のそれを計算することで達成している。これは、撃力波形の面積が運動量の変化量に等しいという物理的性質に基づいている。そして、運動量の変化量を物体の質量で割ると、衝突前後の速度の変化量が得られる。したがって、衝突前の物体の速度を与えれば、衝突後のそれが正確に計算できる。これより、ダイナミックアニメーションの生成は可能であるが、ハプティックス(触覚フィードバックデバイス)によって撃力を体感することは不可能である。そこで我々は、実験結果から垂直撃力をキャリブレーションしたり、それから接線撃力を計算するアルゴリズムにおける静止摩擦係数と動摩擦係数を同定したりして、より正確な両撃力波形を体感できるようにした。 次に、レオロジー物体変形の分野では、局所的や大局的な体積を保持する条件を付加したバネ・マス・ダンパモデルを提案したり、実際と仮想の形状の差を小さくするようにその未知係数をキャリブレーションするアルゴリズムを提案したりした。これより、レオロジー物体の正確な変形がグラフィックス表示できる力伝播アルゴリズムが得られた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 野上良, 榎亮, 登尾啓史: "レオロジー物体を表現する3つのモデルの変形特性に関する研究"日本バーチャルリアリティ学会論文集. Vol.8, No.3. 271-278 (2003)
-
[Publications] Takeshi Kosaka, Toshiko Iguchi, Hiroshi Noborio: "An Impulse-Based Approach under Penetration between Bodies for Tactile Feedback Display"Proceedings of the IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS'03). 2684-2691 (2003)
-
[Publications] Hiroshi Noborio, Ryo Enoki, Shohei Nishimoto, Takumi Tanemura: "On the Calibration of Deformation Model of Rheology Object by a Modified Randomized Algorithm"Proceeding of the IEEE 2003 International Conference on Robotics and Automation (ICRA'03). 3729-3736 (2003)
-
[Publications] Hiroshi Noborio, Ryo Nogami, Ryo Enoki: "Precise Deformation of Rheology MSD Model Calibrated by Randomized Algorithm"Eurographics 2003, Short Presentations. 171-178 (2003)
-
[Publications] Toshiko Iguchi, Tetsuya Kodama, Hiroshi Noborio: "A Precise Approach Calibrated by Experimental Data to Make an Artificial Impulse"Eurographics 2003, Short Presentations. 241-248 (2003)