2003 Fiscal Year Annual Research Report
外界センサレス接線力推定に基づく通勤電車用次世代高粘着制御の開発
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14550260
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40185187)
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Keywords | 空転再粘着制御 / アンチスリップ制御 / 外乱オブザーバ / 速度センサレスベクトル制御 / 誘導機 / 電気車 / 誘導機 / 台車振動 |
Research Abstract |
これまでに、加速力行時において、低分解能な電鉄用の速度セシサによる制約を回避する速度センサレスベクトル制御と、外乱オブザーバを用いた接線力推定に基づく高性能粘着制御が行えることを示してきた。今回、本提案方式が回生制動時の滑走再粘着制御にも応用可能なことを通勤電車の車輪とレールの模擬試験装置による実験検証により確認した。そして、本研究成果を平成15年(2003年)9月にFrance Toulouseにおいて開催された国際会議10th European Conference on Power Electronics and Applicationsで発表した。 電車が制動を行う際、高速度域では空制(空気ブレーキ)で補足することが多い。そのため、このような車両において、滑走再粘着制御における電空協調制御のシミュレーションを行った。検討の結果、レール面の状態を示す粘着係数が非常に低い状態で常用最大ブレーキを作用させた場合、滑走再粘着制御を繰り返しながら徐々に電制力が小さくなり、最終的に電制失効してしまう可能性があることが確認された。そこで、こうした事象の発生を回避する方策について新たに提案し、計算機シミュレーションによってその有効性を確認した。台車振動系をシミュレーションモデルに含み、かつ1インバータ複数台電動機駆動方式での電空協調制御シミュレーションは、これまでにその前例を見ない先進的な研究成果と言える。そして、本研究成果は平成16年(2004年)3月に開催された国際会議8th IEEE International Workshop on Advanced Motion Controlで発表した。 現在、提案してきた再粘着制御系において、空気ブレーキが補足された場合のロバスト性の検討を行っている。さらに、現有設備の誘導機を用い1台のインバータで複数誘導機を高精度制御する検討も行っており、次年度の課題である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Satoshi Kadowaki, Kiyoshi Ohishi, Shinobu Yasukawa, Ichiro Miyashita: "Anti-slip/skid Re-adhesion Control of Electric Motor Coach Based on Disturbance Observer and Sensor-less Vector Control"Proc.of EPE20032004. No.435. 1-10 (2003)
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[Publications] Tadashi Hata, Hiroshi Hirose, Satoshi Kadowaki et al.: "Anti-slip re-adhesion control based on speed sensor-less vector control and disturbance observer for electric multiple units, -Series 205-5000 of East Japan Railway Company"Proc.of IEEE/ICIT2004. 772-777 (2003)
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[Publications] Satoshi Kadowaki, Kiyoshi Ohishi, Takashi Sano, Shionbu Yasukawa: "Anti-skid Re-adhesion Control Based on Disturbance Observer Considering Air Brake for Electric Commuter Train"Proc.of IEEE/IAS AMC2004. 607-612 (2004)