2002 Fiscal Year Annual Research Report
密封式Bridgman法による低抵抗p型ZnSe単結晶の作製
Project/Area Number |
14550286
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
王 吉豊 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30271977)
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Keywords | ZnSe単結晶 / Bridgman法 / p型 / アクセプター / 固有欠陥 / ストイキオメトリ |
Research Abstract |
本実験で密封式るつぼを用い、Bridgman法により高品質、大型ZnSe単結晶を作製し、さらにアクセプター性不純物を添加することによって、低抵抗のP-ZnSe単結晶の作製を目的とする。 ZnSeの工業化には、大型単結晶の作製方法が必要である。従来、大型ZnSe単結晶の成長には高圧Bridgman法による行われてきた。しかし、この方法では汚染が起こりやすく、組成元素蒸気圧の違いのため、融液又は結晶中の組成がずれる欠点を有する。更に、蒸気圧の高いドーパントの添加は困難で、有効な添加は不可能である。これらの問題を克服するために、本実験では密封式るつぼを用い、垂直Bridgman法により、まず大型、高品質単結晶を作製した。さらに、アクセプター性ドーパントの添加による、低抵抗P型ZnSe単結晶の成長を試みた。 高品質な結晶を得るため、熱力学と結晶成長動力学の立場から成長温度、成長速度、過熱度、温度勾配、組成などの成長条件を最適化した。また、過冷却による結晶の急速凝固を防止するため、ZnSeのseedを用いた。この最適な成長条件で成長させたZnSe単結晶は透明な浅い緑で、双晶は観測されなかった。さらに、四結晶XRDの結果、半値幅として19arcsecが得られ、EPDは10^5cm^<-2>と、これまでの融液成長ZnSe単結晶に比較して極めて高品位の単結晶を成長することができた。 p-型低抵抗ZnSe単結晶を作製するためは、固有欠陥の制御を行わなければならない。上記の実験では密封るつぼを用いたため、組成Zn:Se=1:1を維持することができた。しかし、この条件では、V_<Se>の濃度が高いと予想され、添加したアクセプター性ドーパントと反応し、複合欠陥になり、有効なキャリアとして働かない可能性がある。このV_<Se>濃度を低減させるため、出発原料をSe過剰した。さらに、アクセプター性ドーパントとして、I族のLiとNa、V族のN、P、As、Sb、Biを添加した。低温のPL、C-V、I-V、Hall測定の結果はNとPを添加した結晶は強い_p-型を示している。他の試料は評価中である。このテーマに関する発表論文として一編、さらに3編を準備中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] J.F.WANG, D.MASUGATA, C.B.OH, A.OMINO, S.SETO, M.ISSHIKI: "Activation of nitrogen acceptor in ZnSe homo-epilayer grown by MOCVD."Phys. stat. Sol. (a). 193・2. 251-256 (2002)