2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ分解能磁極分布顕微鏡を用いたテラビット磁気記録媒体の動的微細磁化状態解析
Project/Area Number |
14550287
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齊藤 準 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (00270843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石尾 俊二 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (90134006)
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Keywords | 磁気力顕微鏡 / 微細磁区構造 / 磁気記録媒体 |
Research Abstract |
磁気ディスク記録媒体においては、記録ビット長が10nm以下となる超高密度テラビット磁気記録媒体の技術開発が進められている。テラビット媒体実現には媒体磁化の空間的・時間的磁気ゆらぎにより発生する媒体ノイズの低減が最重要課題であり、ナノサイズ空間分解能での動的微細磁化状態解析法が必要不可欠となる。このため、本研究では、1)空間分解能5nm下のナノ分解能磁極分布顕微鏡の開発、2)ナノ分解能磁極分布顕微鏡を用いた局所ナノ領域での動的微細磁化状態解析法の確立、および3)テラビット磁気記録媒体への動的ナノ分解能磁極分布顕微鏡の適用および微細磁化状態と媒体物性・媒体特性との相関の解明、を目的としている。本年度は以下の結果を得た。 1.ナノサイズ空間分解能実現のために、探針先端の側面部を三角形状および楕円形状に先鋭化した探針について、その伝達関数を計算し分解能を評価した。分解能は探針の理論的熱ノイズを考慮して求めた。その結果、楕円形状探針(楕円探針)は大きな設計自由度をもち、広い範囲で5nm以下の高分解能をもつことがわかった。 2.局所ナノ領域での動的微細磁化状態解析を目的として、シンセティックフェリ媒体(SF媒体)について面内磁場印加MFMを用いて磁場中MFM観察を行い磁気クラスターと磁化過程の対応を調べた結果、磁区内および磁区境界部に観察される磁気クラスターの消滅過程を動的に追うことができた。磁気クラスターは磁極集中型→磁気渦型→一端が乱れた磁気渦型、という過程を経て消滅する。また磁化が飽和に近づいても、なおかつ微細な磁区コントラストが観察されることがわかった。この飽和後の異形なコントラストは、試料の凹凸や試料磁化の局所的不均一性に起因するものと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Saito, K.Miyazaki, S.Ishio: "In Situ Magnetic Hysteresis Measurement of Magnetic Tips in Magnetic Force Microscope"J. Magn Magn. Mater.. 240. 73-75 (2002)
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[Publications] S.Asakura, S.Ishio, A.Okada, H.Saito: "Magnetic Domain Percolation of Cox(SiO_2)_<100-x> Granular Films"J. Magn Magn. Mater.. 240. 485-487 (2002)
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[Publications] 高星英明, 斉藤準, 石尾俊二, 山岡武博, 岡本巌: "磁場中MFMをもちいた面内磁気記録媒体における磁気クラスター観察"日本応用磁気学会誌. 26・4. 284-288 (2002)
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[Publications] 石尾俊二, 斉藤準, 高星英明, 伊藤弘高, 山岡武博: "磁気力顕微鏡を用いた磁区構造解析技術の最近の動向"日本応用磁気学会誌. 26・10. 1034-1040 (2002)