2002 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャル成長におけるナノ構造自己形成機構の解明と制御
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14550302
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小柴 俊 香川大学, 工学部, 助教授 (80314904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 俊介 香川大学, 工学部, 教授 (30155767)
伊藤 寛 香川大学, 工学部, 教授 (60112249)
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
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Keywords | リッジ構造 / 自己形成機構 / 微傾斜基板 / ステップバンチング / 偏光特性 / デジタルアロイ / 超格子 |
Research Abstract |
エピタキシャル成長におけるナノ構造自己形成機構の解明と制御の研究を行い以下の知見を得ている。 1.段差基板上に自己形成されるリッジ量子細線の光学的性質について有限要素法計算をおこない検討を加えた結果、量子細線の偏光特性は細線内の正孔の波動関数分布に大きく依存し、その結果リッジ細線の偏光は垂直の成分をもつ事、また実際の細線では揺らぎによる非対称性が存在しておりこの場合扁光方向は左右どちらかに傾いた斜め方向になることが明らかとなった。 2.(111)B微傾斜基板上のGaAs成長で生じるステップバンチングの発生と消滅の自己形成機構について検討を加えた。GaAsを成長しステップバンチングを発生した後、InGaAs積層したサンプルを作製し、界面構造を断面透過電子顕微鏡(TEM)により観察した。その結果InGaAs層上下の断面形状の違いからGaAs表面に形成されるステップバンチングがInGaAsの成長によって凹部の成長が促進され急速に平坦化し消滅する事が明らかとなった。またTEMで観察されたバンチングの周期は80-90nmであり、走査原子間力顕微鏡(AFM)のバンチング周期は20-30nmと異なっていることが明らかとなった。その理由として20nm程度のバンチングが4〜5個ごとオーダー化し、複数の周期性をもっているものと推測している。 3.ナノ構造の組成制御を目的として混晶を短周期超格子に置き換えるデジタルアロイの周期効果を検討した。Al組成0.3の混晶に相当するGaAs/AlAs超格子を作製しx線回折とフォトルミネッセンス測定により評価した。超格子の周期は2.8nm、1.4nm、0.7nm、0.28nmとした。とくに周期0.7nmのものはAlAs層の厚みが1分子層に満たないのにも係わらず明瞭な超格子反射が観測され、AlとGa原子の混晶化が極めて少ないことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shinichi Watanabe, Masahiro Yoshita, Shyun. Koshiba, H.Akiyama: "Polarization Dependence of the Optical Interband Thansition Defined by the Spatial Variation of the Valence p-Orbital Bloch Functions in Quantum Wires"Japan Journal of Applied Physics. 41. 5924-5936 (2002)
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[Publications] S, Koshiba, Y.Nakamura, T.Noda, S.Watanabe, H.Akiyama, H.Sakaki: "Transformation of GaAs (001) -(111)B facet structure by surface diffusion during molecular beam epitaxy on patterned substrates"Journal of Crystal Growth. 227-228. 62-66 (2001)
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[Publications] T.Noda, Y.Nagamune, Y.Nakamura, H.Sakaki: "Electron transport and optical properties of InGaAs quantum wells with quasi-perildic (. 〜30nm)interface corrugation grown on vicinal (111)B GaAs"Physica E. 13. 333-336 (2002)
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[Publications] T.Noda, H.Sakaki: "Magneto-transport properties of electrons in quantum wells with quasi-periodic interface corrugation"Inst. Phys. Conf. Ser.. 170. 351-355 (2002)
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[Publications] O.Arimoto, M.Sakamoto, Y.Imai, S.Nakanishi, H.Itoh: "Ultrafast quantum beats of exciton-polaritons in beta-ZnP2"Technical digest of IQEC2002. 433-433 (2002)
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[Publications] 鎌田 雅夫, 田中 仙君, 高橋 和敏, 東 純平, 辻林 徹, 有本 収, 渡辺 雅之, 中西 俊介, 伊藤 寛, 伊藤 稔: "放射光とレーザーの組み合わせによる新しい分光法"分析化学会会誌、X線分析の進歩. 特集号 掲載予定(印刷中). (2003)