2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14550309
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
吉門 進三 同志社大学, 工学部, 教授 (00158403)
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Keywords | Ni-Znフェライト / SiO_2 / 複合体 / 複素透磁率 / 導電率低減 / 抵抗皮膜 / 粒径依存性 / 複合電磁波吸収体 |
Research Abstract |
本研究の目的は,Ni-Znフェライト・SiO2複合体電磁波吸収材料の高周波化,広帯域化である.本研究より以下の成果が得られた. NiOあるいはMnCO_3を添加する事で,複合体の誘電損失を低減させる事が可能である事がわかった.MnCO_3の添加による透磁率の低下はほとんどなかった.これにより,同一組成における吸収中心周波数の吸収周波数範囲は15wt%添加した場合,数百MHzから5GHzまで変化可能であることがわかった.電磁波吸収体材料の前面に適当な膜厚の抵抗皮膜を付け試料前面からみた入力インピーダンスの値を整合値に近づけることが可能であることが分かった.これにより-20dB以下の反射係数が得られる吸収中心周波数の幅を広くできることがわかった.実測値とシミュレーションの結果がほぼ一致していたことにより,実際に試料を作製することなく抵抗皮膜を用いた複合電磁波吸収体の設計および評価が可能であることがわかった.Ni-ZnフェライトとSiO_2の超微細粉を用いた複合体の吸収特性は,通常の平均粒径を持つSiO_2を用いた複合体に比べて低周波数領域で良好な吸収特性を示した.また平均粒径約7nmの超微粒子のSiO_2を用いた複合体では吸収中心周波数の範囲が200MHz〜2GHzと広くなった.シミュレーションにより,Ni-Znフェライトの超微粒子を用いた複合体において,SiO_2の混合量が80mol%付近のとき,電磁波吸収特性は単一組成において高周波側で-20dB以下の吸収特性を示すと同時に1GHz以下においてもNi-Znフェライト単体と同様の規格化-20dB帯域幅が1.0以上という大きな値が得られることがわかった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 楠裕樹, 近藤隆俊, 吉門進三: "抵抗皮膜を有する複合電磁波吸収材料の開発および評価"電気学会論文誌. 122-A. 373-377 (2002)
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[Publications] 楠裕樹, 近藤隆俊, 吉門進三: "フェライトSiO_2複合電磁波吸収体材料の吸収特性の改善および斜入射特性の評価"電気学会論文誌. 122-A. 485-492 (2002)
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[Publications] 楠裕樹, 近藤隆俊, 平木聖大, 高田和司, 吉門進三: "フェライトSiO_2複合電磁波吸収体の粒径依存性"電気学会論文誌. 123-A. 125-131 (2003)
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[Publications] H.Kusunoki, T.Kondo, S.Yoshikado: "Fabrication and Evaluation of the Composite Electromagnetic Wave Absorbers"Key Engineering Materials. 228-229. 315-318 (2002)
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[Publications] H.Kusunoki, T.Kondo, K.Hiraki, K.Takada, S.Yoshikado: "Grain-sizedependence of the Characteristics of Electromagnetic Wave Absorbers of Ferrite-SiO2 Composites"Key Engineering Materials. (印刷中). (2003)