2003 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質シリコン3次元周期構造作製その構造・特性評価
Project/Area Number |
14550326
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
前濱 剛廣 琉球大学, 工学部, 助教授 (60045044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根川 富博 琉球大学, 工学部, 助手 (20295299)
比嘉 晃 琉球大学, 工学部, 助教授 (50228699)
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Keywords | 多孔質シリコン / 3次元フォトニック結晶 / 電流密度変調法 / 選択陽極化成 / 自己クローニング / 走査電子顕微鏡 |
Research Abstract |
シリコンをHF溶液中において臨界電流密度以下で陽極化成すると多孔質シリコン層が形成される.その多孔質層は,多孔度に対応して屈折率も変化し,多孔度は陽極化成電流密度で容易に制御できる.この性質を利用して,電流密度を低・高と周期的に変調し,第1層の多孔質シリコンの格子パターンを下層に自己クローニングして作製する,屈折率変調多孔質シリコン3次元周期構造(PS3DPS)の作製手法を確立し,3次元フォトニック結晶作製に応用することがこの研究の狙いである.本研究での具体的な目標は,赤外領域の光に反応する1辺が約1μmサイズのPS3DPSの作製である. 前年度は主に,1μmサイズのPS3DPSの作製の基礎データを得るため,1μm層厚の1次元周期構造の形成特性を,走査電子顕微鏡及びX線2結晶法で詳細に調べ,10mA/cm^2と50mA/cm^2を交互に流す周期的変調法でほぼ設計通りの1次元周期構造が形成できることを確認した.今年度は,1μm〜20μmの正方格子ホトマスクを用いた選択陽極化成と,提案した自己クローニング法でPS3DPSの作製を行い,どこまでPS3DPSサイズの縮小化が実現できるか走査電子顕微鏡による断面観測で調べた.その結果,(1)選択陽極化成のレジストとしてポジ形フォトレジストは不適でネガ形フォトレジストが適していることがわかり,(2)PS3DPSのサイズは,5×5μm正方格子を1μmの層厚で7層目まで自己クローニングできることが確認できた.また,サイズの縮小化と自己クローニングの繰り返し数の増加の障害となっている主な原因は,多孔質シリコンが深さ方向だけでなく横方向へも成長するためであることがわかった.今後は,多孔質シリコンの成長メカニズムを解明して,深さ方向に対する横方向成長比が小さくなる陽極化成条件を探索して,1μmサイズのPS3DPSを実現する研究をさらに進める必要がある.
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