2003 Fiscal Year Annual Research Report
微細金属ゲートを有する共鳴トンネルデバイスにおける界面不均一評価と自励発振の制御
Project/Area Number |
14550327
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須原 理彦 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (80251635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 次徳 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (00117699)
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Keywords | 3重障壁共鳴トンネル構造 / 自励振動 / GaInP / GaAs / 高周波等価回路パラメタ |
Research Abstract |
本研究では、固体中電子波の共鳴トンネル現象による電流をコレクタ電流とし,その電流量を微細金属をゲートによって制御する構造を有した3端子デバイス,共鳴トンネルトランジスタの実現と,その微分負性抵抗特性を利用した自励発振素子への応用を目指して研究を行った.具体的には,GaInP/GaAs3重障壁共鳴トンネルダイオードを試作し,1)コレクタ電極界面のデバイス特性への影響の検討,2)ポテンシャル制御係数の解析手法の確立,3)印加電圧の周波数6GHzまでのSパラメータ測定と高周波小信号等価回路の同定,4)等価回路パラメータの印加直流電圧依存性の評価と物理解明,を行った.1)2)では,オーミックコンタクト(PdGe/GaAs接合形成),およびショットキーコンタクト(Pd/GaAs接合形成),によるコレクタ電極を有する共鳴トンネルダイオードを作製しデバイス特性を比較した.その際,印加電圧の微小変化に対して,3重障壁ポテンシャルによる量子井戸構造がどの程度変化するかを示すポテンシャル制御係数ξを測定結果から解析する方法を提案した.その結果,ショットキーコレクタの場合がオーミックに比べてξが約0.5倍となり,微分直列抵抗低減による高周波応答に対する優位性を示唆した.3)4)では,デバイスの等価キャパシタンスの直流電圧依存性にピークが観測され,そのピークは,3重障壁固有のエミッタ側量子井戸への電子の出入りに起因しており,本デバイス構造が,微分負性抵抗デバイスとしてのみではなく,量子効果にもとづいた可変容量デバイスとしての設計可能性を示唆した.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Asaoka, H.Funato, M.Suhara, T.Okumura: "Fabrication and characterization of GaInP/GaAs triple barrier resonant tunneling diodes grown by MOCVD"Applied Surface Science. 216. 413-418 (2003)