2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550329
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀尾 和重 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (10165590)
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Keywords | GaN / MESFET / 電流コラプス / トラップ / シミュレーション |
Research Abstract |
半絶縁バッファ層を有するGaN MESFETの2次元過渡シミュレーションを行い、特にバッファ層内トラップパラメータがいわゆる「電流コラプス」(パルスI-V特性における電流値が定常状態の値より著しく低下する現象)にどのような影響を与えるかを調べた。 半絶縁バッファ層は深いドナー、深いアクセプタおよび浅いドナーからなる3準位モデルによりモデル化した。深いドナー濃度N_<DD>、深いアクセプタ濃度N_<DA>および深いドナーのエネルギーレベルをパラメータとして変化させた。 オフ状態からオン状態になるようゲート電圧とドレイン電圧を共にステップ関数的に変化させたときのターンオン特性を計算し、これより模擬的なパルスI-V特性を求め、定常状態のI-V特性と比較した。その結果、半絶縁バッファ層内の深いアクセプタ濃度N_<DA>が高いほど、パルスI-V特性における電流値と定常状態の電流値の差が大きくなり、電流コラプスが顕著になった。これは、N_<DA>が高いほど、電子トラップとして働くイオン化した深いドナーの濃度N_<DD>^+が高くなり、トラップの影響が大きくなるためと解釈された。また、オフ状態のドレイン電圧V_<Doff>を20Vから100Vの間で変化させ同様の解析を行った。その結果V_<Doff>が高いほど電流コラプスが顕著となった。これは、ドレイン電圧が高いほど、活性層からバッファ層に注入されて深いドナーに捕獲される電子の量が増え、トラップの影響が大きくなるためと解釈された。 以上より、GaN系FETの電流コラプスを低減するには、半絶縁バッファ層内のアクセプタ濃度を下げることが必要と結論される。
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Research Products
(4 results)