2002 Fiscal Year Annual Research Report
超薄膜SOIMOSFETの量子効果シミュレーション
Project/Area Number |
14550332
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鳥谷部 達 東洋大学, 工学部, 教授 (20266993)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花尻 達郎 東洋大学, 工学部, 助教授 (30266994)
|
Keywords | SOIMOSFET / 完全反転型 / 量子効果 / シミュレーション / シュレーデインガー方程式 / 電界依存移動度 |
Research Abstract |
我々はSOI (Silicon-On-Insulator) MOSデバイスにおいて、シリコン活性層の膜厚を1-3nmほどに薄くして反転層と同程度にした構造の完全反転型MOSデバイスを考案し検討を進めてきている。シリコン活性層を超薄膜にして空乏層すらも残さないで反転層のみとするアイデアは、反転層が極めて薄いためにこれまで出されたことがなく全く新規なものである。この完全反転型SOI MOSFETはシリコン超薄膜の厚さが1-3nmであるためその中での電子は量子効果によって2次元状態になる。古典的モデリングでは反転層電子の密度はシリコン薄膜とゲート酸化膜の界面で最大となるが、量子力学的モデリングによれば電子波の存在確率密度の平均値はシリコン超薄膜のほぼ中心に移るためにゲート電極とチャネル中の電子との実効距離が遠くなり伝達コンダクタンスは古典的モデリングの予想に比べて小さくなるはずである。シリコン超薄膜中の電子の分布は量子力学的波動性を考慮した自己無撞着的な電位分布により決まるものであり、それがドレイン電圧印加のもとで散乱など損失性影響のもとでの輸送現象を生じることになる。したがって、閾値電圧、サブスレッショルド特性、強反転線形および飽和領域の電流などの電気的特性を精度よく知るためには量子力学的モデリングが必要となる。平成14年度は1次元シュレーディンガー・ポアソン方程式の自己無撞着解の2次元化に関する定式化に基いたシミュレータの高精度化を進めた。物理パラメータ、特に移動度のドレイン電界依存性を取り入れることが可能であることを見出し、その定式化およびプログラム作成を行った。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T.Hanajiri, K.Aoto, T.Hoshino, M.Niizato, Y.Nakajima, T.Toyabe, et al.: "A new approach for quantum mechanical modeling for MOS devices, covering the whole operation region"2^<nd> International Conference on Materials for Advanced Technologies & IUMRS -International Conference in Asia 2003. (2003)