2002 Fiscal Year Annual Research Report
低密度パリティ検査符号の有歪み圧縮への応用に関する研究
Project/Area Number |
14550347
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博資 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30136212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 朋宏 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (00323527)
岩田 覚 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (00263161)
|
Keywords | 有歪みデータ圧縮 / レート歪み関数 / 低密度パリティ検査符号 / 情報源符号化定理 / Belief Propagation / Mackayアンサンブル |
Research Abstract |
低密度パリティ検査符号は,1962年Gallagerにより提案された誤り訂正符号であるが,最近の計算機パワーの急激な増加により,BP(Belief Propagation)アルゴリズムなどの繰り返し復号法が適用可能となり,高性能な誤り訂正能力を実現できるようになった.他方,歪みを許して高い圧縮率を実現する有歪み情報源符号化(データ圧縮符号化)は,誤り訂正符号化と双対な関係にあり,性能のよい誤り訂正符号を有歪み圧縮に利用することで高い圧縮率を実現できる可能性がある.本研究では,理論および数値実験により,その可能性を明らかにすることを研究目的としている. 本年度は,主に理論的な研究を行った.具体的には,低密度パリティ検査符号を用いて有歪み圧縮を行うための符号化アルゴリズムを与え,さらに,MacKayが誤り訂正符号化定理の証明に用いたランダムアンサンブルを,その符号化アルゴリズムに適応することにより,符号語長が大きくなるに連れて漸近的に圧縮限界であるレート歪み関数が達成できることを証明した.また,レート歪み関数への漸近的な収束の速さを求め,漸近的にレート歪み関数が達成できるために,パリティ検査行列の密度がどの程度小さければよいかを明らかにした.
|