2003 Fiscal Year Annual Research Report
可算無限個からなる離散情報構造に対するユニバーサル符号の構成法に関する研究
Project/Area Number |
14550351
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小林 欣吾 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20029515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 正純 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90242346)
山口 和彦 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60220258)
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Keywords | 落し戸通信路 / 算術符号 / κ分木 / 一般化カタラン数 / パーコレーション / エントロピー / 低密度パリティ検査符号 / Sum-Product復号 |
Research Abstract |
本年度は,本研究の目的を達成するために次に示す基礎的な個々の研究を行なった.1)論文"Some Considerations on Trapdoor Channel"においては,記憶をもつ通信路の典型的な例である落し戸通信路の通信路容量について、以前求めたn次の入出力行列の再帰関係に関して考察を深め、通信路容量の値はEulerのGamma定数にかなり近いこと、しかし、その値には収束していかないことを実験的に示した。2)論文"One Bit Reduction of Arithmetic Codes"においては,通常の算術符号にはわずかではあるが冗長なビット.が混入している。それを計算の複雑度を増さないで取り除く工夫を論じている。3)論文"A Tree Source and its Entropy"においては,通常、データ圧縮の議論の対象は有限の個数の文字集合をアルファベットとする情報源である。ここでは、木という組み合せ論的構造自身がシンボルであるアルファベットをもつ情報源のデータ圧緬について研究している。木の生成アルゴリズムを定義し、木の節点が有限個で停止し、有限木の得られる確率、無限木となってしまう確率を厳密に解析的に求めた。このことにより、有限木の得られる場合には、木情報源のエントロピー概念が定義でき、それが生成された木に対する平均符号語長の限界を与えていることが示されている。4)論文"A Survey of Multi User Information Theory"においては,当該国際会議において、マルチユーザ情報理論の歴史と現況、未解決問題について基調講演を行った。また,以下の研究も行なった.正則低密度パリティ検査符号として提案している修正プライム系列符号を用いたLDPC符号の性能を評価した。この符号は、様々な符号パラメータを設定できる所が利点であるが、その中で特に良い符号構成方法を与える構成指針を求め、よく知られるMackayの符号と比べて良い特性を持つ符号が実現できることを示した。次に,低密度パリティ検査符号の復号方法として知られるSum-Product復号の復号特性を改善する方法を検討した。その結果、少ない繰り返し回数で、誤り率特性に優れた復号結果が得られる復号順序制御の方法を導いた。最後に,情報理論や計算機科学なとの各分野の第一線の研究者による講演及び研究者同士の国際的な交流を目的とした第三回国際アジアヨーロッパワークショップ(2004/06/25〜28)を主催側として開催に努めたことを記す。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Kobayashi, H.Morita, M.Hoshi: "Some Considerations on Trapdoor Channel"Proc.of 3rd Asian-European Workshop on Information Theory, Kamogawa, Japan. 9-10 (2003)
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[Publications] H.Morita, M.Hoshi, K.Kobayashi: "One Bit Reduction of Arithmetic Codes"Proc.of 3rd Asian-European Workshop on Information Theory, Kamogawa, Japan. 34-36 (2003)
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[Publications] K.Kobayashi, H.Morita, M.Hoshi: "A Tree Source and its Entropy"Proc.of the 2003 IEEE ISIT, Yokohama, Japan. 28 (2003)
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[Publications] K.Kobayashi: "A Survey of Multi User Information Theory (invited talk)"Conference of Information Transfer and Combinatorics, Bielefeld, Germany. (2003)
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[Publications] 山本裕一, 山口和彦, 小林欣吾: "修正プライム系列符号を用いたLDPC符号の性能評価"第26回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 377-380 (2003)
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[Publications] 矢部雅人, 栗原吉広, 山口和彦, 小林欣吾: "低密度パリティ検査符号のBit Serial Sum-Product復号法"第26回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 381-384 (2003)
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[Publications] 栗原吉広, 矢部雅人, 山口和彦, 小林欣吾: "復号順序制御を行うSum-Product復号"第26回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 385-388 (2003)
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[Publications] 山口和彦: "繰り返しを用いる復号法とターボ符号LDPC符号の符号構成について"電子情報通信学会,2003年ソサイエティ大会TA-3-1. SS-16 (2003)