2002 Fiscal Year Annual Research Report
線形符号における非線形部分符号の再帰的最尤復号、準最尤復号に関する研究
Project/Area Number |
14550357
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 融 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (70190098)
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Keywords | 線形符号 / 部分符号 / 非線形性 / 最尤復号 / 再帰的最尤復号 |
Research Abstract |
本研究では,線形符号における非線形部分符号の最尤復号,あるいは準最尤復号法について,計算量の小さい復号法の開発を目指している. リード・マラー符号やBCH符号の最小重み部分符号の再帰的最尤復号において計算量が大きいのは,再帰過程の上位レベルに位置する数セクションである.このセクションに関して,最尤語を構成するために必要な尤度の順位について計算機シミュレーションを用いて計測を行った結果,大部分の符号語について尤度順位の高い候補の尤度だけが必要であるという結果が得られた.そこで,上位の尤度のみを効率的に求めることを考えた. 線形符号の最小重み部分符号のトレリスダイヤグラムの構造について検討した.具体的には,リード・マラー符号を中心に検討した.その結果,(64,42)リード・マラー符号等において,線形符号がもつ規則的な構造をもつことを見出した.これを用いて,計算量を削減することができた. この結果を,繰り返し復号へ適用した.多数決論理復号法で復号し,最小重み部分符号の再帰的最尤復号法を繰り返す復号法に対して,誤り特性があまり劣化しない範囲での準最尤復号法を検討した. 計算機シミュレーションを用いて計算量の削減とそれに伴う誤り率の増加のトレードオフについて評価し,誤り率と計算量の関係について考察した.例えばS/N比が3dBの条件で(64,42)リード・マラー符号100万語を復号したとき,繰り返し回数と閾値を適切に選ぶと同程度の誤り率で復号時間を80%程度に削減できた.
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