2003 Fiscal Year Annual Research Report
超高速電力線通信のEMC(電磁両立性)に関する研究
Project/Area Number |
14550362
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 伸夫 九州工業大学, 工学部, 教授 (50336088)
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Keywords | 高速電力線通 / PLC / 電磁環境 / 4ポート回路網 / 干渉 / 有線通信 / イミュニティ / 機器モデル |
Research Abstract |
平成15年度は申請した研究計画に基づいて以下の研究を行った.なお,検討を実施した周波数帯域は,超高速電力線通信の使用帯域を考慮して,10kHzから100MHzである. 1.電力線の伝送特性モデル 屋内配線に使用しているVVFケーブルの線路定数を測定し,その結果より比誘電率とtanδの周波数特性を求め,VVFケーブルと大地よりなる4ポート回路網の線路定数を求めた.次に,その結果を用いて,VVFケーブルで構成される簡単な伝送路について入力インピーダンスを測定し解析値と比較を行った.その結果,以前よりは解析精度は改善されることがわかった. 2.電力線からの電磁波放射モデル 配電線および電子機器,通信機器を4ポートの回路でモデル化して電力線上のコモンモード電流分布を求め,この結果より放射磁界強度を求めた.簡単な配電線モデルを電波無響室内に構築して放射磁界強度分布を測定し解析結果と比較を行った結果,ある程度の傾向は解析により求めることが可能であることがわかった. 3.電力線上の電磁環境モデル 電力線と通信および電力線と電力線を8ポート回路網モデルで表し誘導結合による影響を評価した.回路網モデルの評価を行うため,30mの模擬線路を用いて誘導電圧を測定し解析結果と比較を行った.その結果,解析によりある程度の特性を求めることは可能であることがわかった.また,VDSLモデムやPLCモデムを用いて誘導の影響の評価を行った.その結果,VDSL通信については影響が発生する可能性はほとんど無いが,悪い条件が重なれば影響が出る可能性もあること,PLC通信については,互いを通信端末として認識するため,通信の途絶と言った影響は無いが情報漏洩等については注意を必要とすることがわかった.これらの検討結果については,2004年3月に開催された電子情報通信学会で発表すると同時に,2004年6月に開催される国際会議(仙台およびボルツラフ)で発表予定である. 4.家電機器のモデル化 動作状態で家電機器の入力インピーダンスを測定する方法して,擬似電源回路網を用いる方法を検討した.評価を行った結果,マイコンで制御されている電子機器についてはEMI対策用の部品の効果により動作状態でも,動作していない状態でも値に大きな差は無く,白熱電球等構造が単純な装置は動作状態と非動作状態で入力インピーダンスに変化が無いことがわかった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Shimoduma, A.K.Rashid, N.Kuwabara, Y.Akiyama, H.Yamane: "A study of PLC signal influence on VDSL system by indoor power line and telecommunication line"2004 International symposium on electromagnetic compatibility. Sendai(2004年6月発表予定). (2004)
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[Publications] 下妻陽介, 秋山佳春, 桑原伸夫: "PLC信号が伝送される宅内電力線間の誘導による干渉及び信号漏洩"2004年電子情報通信学会総合大会. B-4-99. (2004)
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[Publications] Y.Akiyama, H.Yamane, F.Amemiya, N.Kuwabara: "Studies on the influence of the PLC signal on other telecommunication systems"17th International Wroclaw symposium and exhibition on electromagnetic compatibility. (2004年6月発表予定). (2004)