ハウリングキャンセルのための高度適応信号処理システムの研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14550372
• Research Institution: Shibaura Institute of Technology
• Principal Investigator: 渡部 英二 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (40191746)
• Keywords: ハウリング / 適応ノッチフィルタ / 可変フィルタ / ディジタルフィルタ / フィルタ設計 / 適応信号処理 / ディジタル信号処理 / 離散時間システム

Research Abstract

本研究は効果的なハウリングキャンセラの実現を目標に,ハウリング波形を周波数が未知の歪んだ正弦波であるととらえてIIR形適応ノッチフィルタでそれを除去する方法を研究することを目的としている.本年度は以下のような成果が得られた.
・周波数が近接した複数の未知正弦波を単一の帯域幅可変IIR適応ノッチフィルタでまとめて除去するとき,帯域幅を適応的に変化させるアルゴリズムを開発するとともに,その性能を検証した.
・単一正弦波を検出・除去する適応ノッチフィルタにおいて,確率勾配法のステップサイズを動的に変化させて収束を速める方法を検討した.
・除去すべき未知正弦波の周波数が高調波関係にあるが,基本波が何らかの理由で消滅して,2倍高調波以上が存在するとき,適応ノッチフィルタのうち最も低いノッチ周波数を2倍高調波に追従させるだけで,自動的に他のノッチ周波数が3倍以上の高調波に追従するような適応ノッチフィルタの構成法を導出した.
以上の成果は2003年6月と2004年1月の電子情報通信学会回路とシステム研究会で発表した.現在,電子情報通信学会の論文誌に投稿するための準備をしているところである.