2004 Fiscal Year Annual Research Report
非線形システムの数値解析法の開発とその応用・実用化に関する研究
Project/Area Number |
14550374
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Research Institution | CHUO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山村 清隆 中央大学, 理工学部, 教授 (30182603)
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Keywords | 非線形システム / 非線形回路 / 回路シミュレーション / LSI設計 / 全解探索 / 線形計画法 / 区間解析 / SPICE |
Research Abstract |
昨年度までの研究では、LSI設計における大きなボトルネックとして世界中の設計者を悩ませていた「非収束問題」を理論面・実用面から完全に解決し、企業との共同研究により、最も解析が困難とされるバイポーラアナログ回路に対して、その最大級である1万素子クラスのアナログLSIを世界で初めて収束の保証付きで解くことに成功した。本年度は、このアルゴリズムを実現容易性ならびに計算効率改善の見地から大幅に改良した。特にホモトピー法における効率的な初期値設定法に関する研究は、学会から「従来の手法の盲点をついた非常に斬新な方法である」と評価され、発表論文の共著者である本研究室学生の安藤真君が電子情報通信学会 回路とシステム軽井沢ワークショップ奨励賞と渋谷健一奨励賞を受賞している。また「式を回路で記述する」という逆転的発想に基づくSPICE指向型数値解析法に関する研究は、回路分野だけでなく数値解析やオペレーションズ・リサーチの分野からも注目を集め、電子情報通信学会回路とシステム研究会、同非線形問題研究会、日本オペレーションズ・リサーチ学会から招待講演を依頼されるなど、大きな反響を得ている。 また、LSI設計における重要な未解決問題として知られている「区分的線形回路のすべての解を求めるアルゴリズムの開発」に対し、線形領域数1000^{2000}の超大規模問題の全解探索を実用時間内で行うことのできる非常に効率のよいアルゴリズムを提案し、アメリカの権威ある国際会議であるIEEE MWSCASのスペシャルセッションで発表した。またより一般的な非線形問題に拡張したアルゴリズムをICCCAS,NOLTA,SCANなどの国際会議や学会論文誌等で発表した。この研究は従来の常識を覆す画期的な成果で、この分野に大きなインパクトと実用化の可能性を与えている。 なお2004年4月に開催された電子情報通信学会回路とシステム軽井沢ワークショップで、これまでの研究成果を総括する内容の招待講演を行った。
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Research Products
(15 results)