2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550378
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
伊丹 誠 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (70212983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 紘二 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (20013683)
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Keywords | OFDM / 搬送波間干渉 / 移動受信 / 伝送路推定 / ゼロフォーシング / MMSE / ISDB-T / ドップラーシフト |
Research Abstract |
本研究では平成14,15年度にわたってOFDM信号の移動受信時のドップラースプレッドによって生じる搬送波間干渉を適応的に除去するための方式について検討を行った。搬送波間干渉除去のためのアプローチはさまざまなものが考えられるが、本研究では搬送波間干渉が生じている状態での伝送路特性の適切な推定方式、推定された伝送路特性を用いた搬送波間干渉の除去について検討を行った。伝送路特性の推定方式では、ドップラースプレッドの生じている伝送路を複数の伝播パスの組み合わせでモデル化し、スキャッタードパイロットシンボルを用いて各パスのパラメータを推定する方式を提案した。これによってパスごとの複素減推量、相対遅延、ドップラーシフトを推定できることが確認された。このようにして推定された伝送路特性を利用して搬送波間干渉の除去を行う方式を健闘した。搬送波間干渉の除去は伝送路特性がわかっていれば原理的には可能であるが、直接的な方法だと極めて複雑になってしまう。そこで、搬送波間干渉の影響は対象とする搬送波に周波数が近い搬送波からのものが最も大きくなることに着目し、影響の大きな隣接キャリアからの干渉のみを除去する方式を提案した。これによって簡略化が可能となった。具体的な方式としてはゼロフォーシングおよびMMSE方式について検討した。前者は簡単に実現できるが雑音の影響が大きく、後者はやや複雑になるが特性が良好であることがわかった。以上の検討によって、隣接数搬送波からの干渉を除去するだけで大幅に特性が間然できることが示された。さらに、判定後の出力を再利用することによって伝送路推定の精度の向上も図り、移動受信を行わない理想的な状態まで干渉を除去できることを示した。また、データ拡散、アレイアンテナなどの併用による更なる特性の向上についても検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中村, 藤井, 伊丹, 伊藤: "OFDM移動受信におけるMMSE型ICIキャンセラに関する一検討"映像情報メディア学会誌. 58・1. 83-90 (2004)
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[Publications] T.Nishiyama, T.Shirai, M.Itami, K.Itoh, H.Aghvami: "A Study on Controlling Transmission Power of Carriers of OFDM Signal Combined with Data Symbol Spreading in Frequency Domain"IEICE TRANS.FUNDAMENTALS. E86-A・8. 2117-2124 (2003)
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[Publications] M.Nakamura, M.Fujii, M.Itami, K.Itoh: "A Study on an MMSE ICI Canceller for OFDM under Doppler-Spread Channel"Proc.of PIMRC 2003. 2. 236-240 (2003)
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[Publications] 中村, 伊丹, 伊藤, H.Aghvami: "OFDM受信における遅建プロファイルとドップラープロファイルの同時推定によるキャリア間干渉の除去"映像情報メディア学会誌. 56・12. 1951-1958 (2002)
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[Publications] 北島, 尾脇, 京面, 伊丹, 伊藤: "最適合成を用いたデータ拡散OFDM"映像情報メディア学会誌. 56・12. 1968-1979 (2002)
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[Publications] 神戸, 伊丹, 伊藤: "付加遅延SFN信号のアレイアンテナを用いる受信方式"映像情報メディア学会誌. 56・12. 1959-1967 (2002)