2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550386
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
今村 彰隆 大阪産業大学, 工学部, 講師 (90261049)
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Keywords | CDMA / チャープ / パルス圧縮 |
Research Abstract |
本研究では、直接拡散CDMA方式の搬送波にチャープ波(周波数掃引信号)を用いるシステムを提案している。このシステムの特徴は、受信側で複雑な符号同期システムを必要としない点にあり、符号同期は受信側の圧縮性チャープフィルタのインパルス応答に予め拡散符号を乗算しておくことで、パルス圧縮処理と符号同期が同時に行われる。送信波の生成については分散性チャープフィルタを用意し、このインパルス応答に拡散符号を予め乗算しおく。送信時は情報信号をインパルスに整形し、このチャープフィルタに入力することで本方式の送信波が得られる。 平成14年度は、多元接続性および送信波の電力密度スペクトルについて理論的検討を行い、コンピュータシミュレーションで有効性を確認した。 まず多元接続性については、直交したPN符号を用意し自己相関関数および相互相関関数を事前に調査した上で、多元接続局が同期および非同期で運用された場合の相関特性について検討した。その結果、同期と非同期の両方で直接拡散CDMA方式と同等の多元接続性を確認した。 つきに送信波の電力密度スペクトルについてスペクトルの包絡線形状を個別にみると、チャープ波は矩形であり、拡散符号は一般にPN符号を用いるためsinc関数となる。送信波はこの拡散符号とチャープ信号を時間領域で乗算するため、周波数領域ではたたみ込み積分した形状になり、占有帯域幅は両者の帯域幅の和になる。したがってチャープ信号と拡散符号の両者のパラメータによってスペクトル形状が決定される。帯域を有効利用したい場合、拡散符号のチップレートを遅くすることでスペクトル形状は矩形に近づく。また多元接続性を向上したい場合、拡散符号のチップレートを速くすることでPN系列は長くとれるため相関特性を向上できるが、帯域の有効利用とはトレードオフの関係になる。
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