Research Abstract |
本研究の目的:野生猿のように形の変動するグレイスケール面像を約90%程度の認識率で知覚・検出するセルラーニューラルネットワークを用いたシステムを作ることを大きな研究目標としている。そのなかで,本研究の目的はコンピュータシミュレーションを用いて,モルフォロジー演算をセルラーニューラルネットワーク上で行い,対象とするグレイスケール画像の知覚・検出を可能にするシステムを作ることである。 研究実績:昨年までの研究により次のことが明らかになった。すなわち,画像を認識するには画像の特徴点を捉えることができれば,その特徴点をモルフォロジー演算における構造要素として,セルラーニューラルネットワーク上で画像認識ができることを示した。次に,画像認識を行うには,認識する対象の画像を学習することが非常に大切であるという考えより,画像認識のための特徴点をセルラーニューラルネットワーク上での学習で求める方法を開発した。今年度は,形の変動する画像の認識ができるように,画像の拡大,縮小や回転などにも対応して,画像認識ができる方法の開発を行った。その結果,特徴点を構造要素とするモルフォロジー演算において,構造要素を拡大,縮小,及び回転すれば,画像のそのような変形に対応して画像認識ができることを示した。これらは2値画像を入力画像として実験を行ったが,グレイスケール画像の場合は,前処理を施して,2値画像に変換すれば,本手法が適用できる。また,本手法が使用しているモルフォロジー演算はヒット・オア・ミスという演算であるが,この演算は2値でも,グレイスケールにでも適用できる。したがって,この演算をグレイスケール画像に適用すれば,基本的にはグレイスケール画像でも,本手法により形の変動する画像の認識ができる。
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