2002 Fiscal Year Annual Research Report
物理拘束条件を考慮した「真に制御しやすいシステム」の定量的特徴づけ
Project/Area Number |
14550439
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 辰次 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80134972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 将人 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (20323826)
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Keywords | フィードバック制御系 / 統合化設計 / 制御性能限界 / 不安定極・零点 / 有限周波数特性 / 線形行列不等式 / サンプル値制御系 / 非線形制御系 |
Research Abstract |
研究は大きく、「制御しやすいシステムの特徴づけ」と「対象・制御系の統合化設計法」とからなり、各々線形連続時間系、線形サンプル値系、非線形系の3つのカテゴリーについて検討している。特に本年度は、「制御しやすいシステムの特徴づけ」の理論の枠組を確立することを主たる目的とし、以下の研究を行った。 1)線形連続時間系に対してこれまで得られていた有限周波数特性のLMI条件を拡張し、線形時不変系に対して低/中間/高周波数帯域の様々な周波数特性を統一的に表現するLMIを導出した(ACC03で発表予定)。これは、統合化設計の枠組の基礎を与えるものである。また、制御しやすいシステムの特徴づけを目指して、制御性能限界の解析解に関する従来結果を拡張するとともに、クレーンおよび倒立振子モデルをもとに制御対象の物理構造やパラメータと制御性能限界について検討した(SICE03で発表予定)。 2)線形サンプル値系に対しては、その解析の基礎となる周波数リフティングの手法を確立し、連続時間系の結果を拡張する形で単目的問題に対する制御性能限界の解析結果を得た。現在、その結果に基づきサンプリング周期と制御性能の関係について検討中である。 3)非線形系の場合、線形系と違って制御器に切替え要素を導入しなければ制御できない対象が存在する。本研究では要求される切替え要素のタイプによって「制御しにくさを分類することを検討しており、本年度はその端緒として、宇宙衛星の姿勢制御問題において要求される複雑な切替え要素の構造を明らかにした。
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