ウェーブレット解析によるコントロール・レリバントなシステム同定に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14550441
• Research Institution: The University of Electro-Communications
• Principal Investigator: 中野 和司 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90136531)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田原 鉄也 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員 (90272393) ; 樋口 幸治 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (80143709) ; 新 誠一 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (20134463)
• Keywords: 連続ウェーブレット変換 / 時変システム / 伝達関数推定 / むだ時間システム

Research Abstract

(1)先に提案したウェーブレット・スペクトル推定値から伝達関数を推定する方法(間接法)と、新たに提案した入出力を直接ウェーブレット変換する方法(直接法)との比較研究を行った。その結果、アナライジングウェーブレットの選択により、かなりの自由度で所望のフィルタ特性(例えば,高域遮断特性)が実現できることを明らかにした。
(2)(1)においてガボールウェーブレットを採用する場合について、その周波数特性を詳細に調べ、その結果を火力発電所内ボイラの分散制御系に応用して、2入力2出力フィードバック制御系の同定を行うとともに、統計モデル(ARXモデル等)と比較し、その有効性を明らかにした。
(3)相関関数のウェーブレット変換によりスペクトル密度を推定した場合のバイアスについて、種々なアナライジングウェーブレットについてバイアスの計算を行い、ウェーブレットとバイアス抑制の関係についての知見を得た。
(4)制御系の前向き要素にむだ時間があり、フィードバック要素がある場合に対して、ウェーブレット変換による無駄時間の推定問題を考察し、従来の推定方式に間違いないことを理論的に確かめた。
(5)PWM電力アンプの入力無駄時間の推定結果を利用して、ディジタル制御系におけるサンプリング周期を適性に設定できた。
(6)遅れや反射のある音響信号のBlind Separation問題に、ウェーブレット解析を応用し、従来法に比較して推定精度の劣化が抑制できることを明らかにした。

Research Products

• [Publications] T.Matsuo, H.Suemitsu, K.Nakano: "Zeros and Relative Degree Assignments of Adaptive Chaotic Communication Systems"Int.J.Bifurcation and Chaos. (to appear). (2004)
• [Publications] H.Peng, T.Ozaki, Y.Toyoda, H.Shioya, K.Nakano, et al.: "RBF-ARX-model-based Nonlinear System Modeling and Predictive Control with Application to a NOX Decomposition Process"CONTROL ENGINEERING PRACTICE. 12・2. 191-203 (2004)
• [Publications] 樋口幸治, 中野和司, 荒木邦彌, 茅野文穂: "バンプレスモード切換形近似的2自由度ディジタル積分制御器によるPWM電力増幅器のロバスト制御"電子情報通信学会論文誌. J87-C・1. 148-159 (2004)
• [Publications] ウメルジャンサウット, ハイレットトフティ, 中野和司: "電子制御スロットルシステムの同定とロバスト制御"計測自動制御学会論文集. 39・12. 1150-1155 (2003)
• [Publications] 松尾孝美, 中野和司: "カオス暗号通信系への制御理論的接近"計測と制御. 42・12. 1044-1051 (2003)
• [Publications] 松尾孝美, 末光治雄, 中野和司: "カオス暗号通信における非線形復号器の設計"電気学会論文誌. 123-C・9. 1587-1596 (2003)