2005 Fiscal Year Annual Research Report
非線形H無限大制御と計算統計学を用いた知的制御システムの再構築に関する研究
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14550457
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Research Institution | THE INSTITUTE OF STATISTICAL MATHEMATICS |
Principal Investigator |
宮里 義彦 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 助教授 (30174155)
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Keywords | 適応制御 / ロバスト制御 / H無限大制御 / 計算統計学 / 非線形制御 / ニューラルネット / ゲインスケジューリング |
Research Abstract |
研究内容は大きく分けて、1)適応制御、非線形制御、非線形H無限大(H∞)制御の研究を、ニューラルネットワークやファジィ制御(推論)を含む制御機構に拡張し、ニューラルネットワークやファジィ制御(推論)の構造自体に含まれる様々な不確定要因を非線形制御や非線形H無限大制御の問題設定の形式で表現して、適応制御の理論解析により安定性を達成しつつ、制御システム全体としての性能を厳密に規定できる設計論の構築、2)1)の項目で得られた方法論をもとにしたニューラルネットやファジィ推論を含むモデリング学の体系化(信号処理、画像処理、意志決定過程や時系列解析も含む)、3)計算統計学の観点からの遺伝的アルゴリズムの再構築とその制御・モデリング方法論全般への応用と、モンテカルロフィルタのオンラインアルゴリズムの開発とそのオンライン制御への応用、の3つの部分からなる。 今年度は項目1)の内容に関して、これまで進めてきた研究を継続する中で以下のような成果を得た。 1.未知のシステムパラメータを外乱と見なして非線形適応H∞制御系を構成する手法を、ロボットマニピュレータの軌道追従制御に適用する研究を行った。これまでの研究をまとめたものが1編の論文として発表された。 2.ハイブリッド型適応機構を用いたロボットマニピュレータの反復学習制御の構成法について研究を行った。今年度は特に適応機構を2次元的に配置した方式を考え、一方の適応機構を用いて他方の適応機構を適応的に改善する事ができることを示した。関連する内容が1編の論文として発表された。 3.最適制御またはH∞制御の観点から適応制御系を再設計する手法の研究を進め、非ホロノミック系に対して逆最適化に基づく非線形適応H無限大制御系の構成法を求めた。関連する内容が1編の論文として発表された。 4.不確定な位相遅れに対する適応制御系の構成法について、過去の一連の研究結果をまとめた。関連する成果が1編の論文として発表された。 5.逆最適化に基づく適応H無限大制御の手法を、無限次元系である分布定数系の有限次元制御問題に適用した。放物型分布定数系と双曲型分布定数系に対して、スピルオーバー項を外乱と見なすことで、有限次元補償器で安定な適応制御系が実現されることを示した。
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Research Products
(4 results)