2002 Fiscal Year Annual Research Report
熱的挙動分析に基づく海洋コンクリートの凍害機構に関する研究
Project/Area Number |
14550459
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
鮎田 耕一 北見工業大学, 工学部, 教授 (90003186)
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Keywords | 海水 / 凍結融解 / スケーリング / 最低温度 / 凍結速度 |
Research Abstract |
本研究では、海水中における凍結融解の繰返しがコンクリートのスケーリングに及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、海水中あるいは淡水中で凍結融解試験を行い、細孔中の水分とスケーリングとの関係について検討し、以下の知見を得た。 1.材齢28日まで海水/淡水に浸漬した水セメント比が50%のモルタル供試体を用いて最低温度を-20、-30℃、凍結速度を0.25℃/minと設定し海水/淡水中で凍結融解試験を行った結果、海水浸漬供試体では最低温度が-30℃のときに-20℃のときに比べスケーリングの発生に影響を及ぼす総細孔容積当たりの含水率が大幅に増加し、スケーリングが多く発生した。また、淡水浸漬供試体でも最低温度が-30℃のときに-20℃のときに比べスケーリングが発生しやすい傾向にあるが、どの最低温度でも海水浸漬供試体ほど顕著ではない。細孔中の水分の凍結による圧力は温度が低くなるほど増加するので、特に海水の作用を受け細孔中に海水が多く浸入している状態では最低温度が低いほどスケーリングが発生しやすくなるといえる。 2.材齢28日まで海水/淡水中に浸漬した水セメント比が50%のモルタル供試体を用いて3種類の異なる凍結速度0.25、0.5、0.75℃/minで最低温度を-30℃として海水/淡水中で凍結融解試験を行った結果、海水浸漬供試体は淡水浸漬供試体よりもスケーリングが増加し、この傾向は凍結速度が遅いほど顕著であった。これは凍結融解試験の最低温度が同じ場合には凍結行程の速度が遅いほど水分が完全に凍結するまでの時間が長くなり、特に海水浸漬供試体では細孔が粗大化しているためその間に供試体内部へ海水が浸入しやすくなり、スケーリングが発生しやすい状態になっているといえる。
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Research Products
(2 results)