2002 Fiscal Year Annual Research Report
鋼斜張橋タワーの大地震時非線形応答と耐震性能向上に関する研究
Project/Area Number |
14550473
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林川 俊郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90002302)
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Keywords | 斜張橋 / 鋼製タワー / 耐震性能 / 非線形動的応答解析 / レベル2地震動 / 初期不良 / エネルギー吸収機構 / ファイバー要素モデル |
Research Abstract |
本研究では大規模地震動を受ける鋼斜張橋タワーをファイバ要素を用いた3次元骨組構造にモデル化し、そのタワー形状が動的応答性状に与える影響について考察し、エネルギー吸収機構を設置した場合の耐震性能向上について比較検討した。また、鉛直地震動、構造減衰、初期不整、低降伏点鋼、鋼材系ダンパー等の影響を調べるために、パラメトリックスタディーを実施した。本研究で得られた結論は以下の通りである。 (1)A型タワーの塔頂部応答変位および塔基部に発生する面内曲げモーメントは、H型や門型タワーの応答結果に比較して小さく、タワー・形状により応答結果がかなり異なることが分かった。 (2)塔基部に発生するA型タワーの軸力はH型や門型に比較して、大きな圧縮力と負反力を生じることが確認された。とくに、大きな負反力はアンカーボルトの浮き上がりが懸念され、設計上注意が必要である。 (3)塔水平梁に鉛直方向または面内回転を許す免震デバイスを挿入し、その効果について比較検討した。いずれのタワー形状においても曲げモーメント、せん断力、軸力を低減することが可能であり、免震デバイスを設置することにより斜張橋鋼製タワーの耐震性能を向上させることができるものと考えられる。 (4)質量比例型減衰は鋼製タワー基部に発生する軸力および加速度応答を過大評価することが分かった。また、鉛直地震動は高周波成分が支配的なことから、Rayleigh減衰を適用することが有効である。 (5)動的応答解析結果において初期たわみと残留応力の影響は、実橋の設計範囲では比較的小さい。 (6)塔水平梁を低降伏点鋼部材で置換し、レベル2地震動による損傷箇所をこの部材に限定することを検討した。塔母材の約0.6以下の低降伏点鋼を使用すれば、耐震性能の向上が期待できることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] シェハタ エルハラーム, 林川俊郎, 佐藤浩一: "斜張橋鋼製タワーの骨組形状が地震時応答性状に与える影響に関する基礎的研究"構造工学論文集, 土木学会. 48A. 359-368 (2002)
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[Publications] Hayashikawa, T., Shehata, E., Abdel Raheem: "Nonlinear Dynamic Behavior of Steel Tower of Cable-Stayed Bridges with Passive Energy Dissipation System"Journal of Structural Engineering, JSCE. 48A. 863-874 (2002)
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[Publications] Hayashikawa, T., Shehata, E., Abdel Raheem: "Steel Tower Seismic Response of Cable-Stayed Bridges with Passive Energy Dissipation System"International Conference on steel & Space Structure. 7. 191-198 (2002)
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[Publications] Shehata, E., Abdel Raheem, Hayashikawa, T., Hashimoto: "Study on Foundation Flexibility on Steel Tower Seismic Response of Cable-Stayed Bridge under Great Earthquake"Journal of Construction Steel, JSSC. 10. 349-354 (2002)
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[Publications] Shehata, E., Abdel Raheem, Hayashikawa, T.: "Effect on Construction Imperfections on Steel Tower Dynamic Response of Cable-Stayed Bridge under Great Earthquake"Journal of Construction Steel, JSSC. 10. 355-362 (2002)
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[Publications] Shehata, E., Abdel Raheem, Hayashikawa, T.: "Parametric Study on Steel Seismic Response of Cable-Stayed Bridge under Great Earthquake Ground Motion"Journal of Structural Mechanics and Earthquake Engineering, JSCE. I-63(In press). (2003)